アウディのハイパフォーマンス部門、Audi Sport(アウディスポーツ)が、ついに沈黙を破りました。
2026年2月19日(現地時間:ドイツ・インゴルシュタット発表)にAudiによってワールドプレミア(世界初公開)された新型「Audi RS 5」は、単なるモデルチェンジの枠を超え、ブランドの歴史における「技術的特異点」となる一台です。
伝統のV6ツインターボエンジンを死守しながらも、シリーズ初となるプラグインハイブリッド(PHEV)システムを搭載。
システム出力は驚愕の639馬力に達しました。
しかし、その裏側には「2.3トン超」という、スポーツセダンとしては異例の重量という課題も横たわっています。
「重さは走りの敵か、それとも新たな次元への鍵か」
最新のソースに基づき、この“美しき怪物”のすべてを解き明かします。
そして、アウディファンにとって最も衝撃的なのは、長年愛された『RS4』の名が消え、この新型RS5へと統合されたことでしょう。
伝統のスポーツワゴン(アヴァント)の魂は、この新型RS5にどのように受け継がれたのか?その詳細にも迫ります。

- 新型RS 5の圧倒的なスペック(639PS / 825Nm)の詳細
- 「2.3トン超」の車重をねじ伏せる世界初の駆動制御技術
- RS 4の後継として進化したエクステリアと90mmワイドの迫力
- 日本国内での予想価格(約1,900万円〜)と導入スケジュール
- V8を捨てたライバル、メルセデスAMG C63との決定的な違い
1. エクステリア:RS 4の魂を継承し、90mmワイドに覚醒

新型RS 5を目の当たりにして、まず驚かされるのはその「筋肉質な体躯」です。
ベースとなるA5に対し、車幅は実に90mmもワイド化。
大きく張り出したフェンダーは、1980年代のオリジナル・クワトロを彷彿とさせつつ、現代的な洗練を極めています。
フロントのシングルフレームグリルはより低く、ワイドに構え、チェッカーフラッグを模したデジタル・ライトシグネチャーが、この車がサーキットの血を引いていることを無言で主張します。

リアには、RSモデルのアイデンティティである「巨大な楕円形テールパイプ」を配置。
PHEVになっても、その咆哮を隠すつもりはないようです。

さらばRS4、ようこそ新型RS5。名称変更の理由とは?
アウディファンなら誰もが抱く違和感、「なぜRS4ではなくRS5なのか?」という疑問。
その理由は、アウディがブランド全体で進めている「偶数は電気(EV)、奇数はエンジン(ICE)」という新しい命名ルールにあります。
- RS4 アバント: 今後はEVモデルの名称として予約。
- RS5 アバント: 従来のRS4が持つ「超高性能ワゴン」のポジションを継承。
つまり、今回の新型RS5は単なるモデルチェンジではなく、「RS4の正統な後継車」としての役割を担っています。
ライバルのメルセデスAMG C63が4気筒へとダウンサイジングする中、アウディはあえてV6エンジンを維持しつつPHEV化するという、ファン垂涎の回答を用意しました。
アウディの新ネーミングルール
| 分 類 | ルール | 意味するもの | 背景のヒミツ |
|---|---|---|---|
| 偶 数 (Even) | EV(電気自動車) | エンジンを持たない、電気の力だけで走る未来の主役。 | 「A4」という名前は、将来登場する純EVのために大切に保管されています。 |
| 奇 数 (Odd) | エンジン車 / PHEV | ガソリンエンジンやハイブリッドを搭載したモデル。 | エンジンを積むモデルは、慣れ親しんだ家から「奇数の番号」へお引っ越ししました。 |
【So What?(要するにこういうこと!)】
伝説の「RS 4 アヴァント」の魂は、この新しいルールに従って「RS 5 アヴァント」という名前に進化し、アウディ最強のワゴンとして王座を受け継いだ。
2. パワートレイン:V6の咆哮と130kWの電撃
新型RS 5の核心は、Audi Sport初のハイパフォーマンスPHEVシステムにあります。
ライバルたちが気筒数を減らす中、アウディは2.9L V6ツインターボエンジン(510PS)の継続採用という、ファンが最も望んでいた道を選びました。
ここに130kW(177PS)を発生する電気モーターを組み合わせ、システム合計出力は470kW(639PS)、最大トルクはスーパーカー並みの825Nmを叩き出します。

新型Audi RS 5 主要スペック比較
| パワートレイン | 2.9L V6ツインターボ + モーター (PHEV) | Audi Sport初のPHEV |
| 最高出力 | システム合計 470kW (639PS) | 先代比 +189PSの大幅増 |
| 最大トルク | システム合計 825Nm | 凄まじい中間加速を実現 |
| 0-100km/h加速 | 3.6秒 | 先代(3.9秒)を凌駕 |
| 最高速度 | 250km/h(オプションで285km/h) | リミッター解除設定あり |
| EV航続距離 | 80km 〜 90km | 都市部では完全なEVとして走行可能 |
| 車両重量 | 2,355kg (Sedan) / 2,370kg (Avant) | 先代比で約600kgの重量増 |

The increase of 44 kW is due to continuous performance-oriented development.
3. 走行性能:2.3トンを忘れさせる「世界初」の魔法
多くのエンスージアストが懸念するのは、2.3トンを超える「重量」でしょう。
しかし、アウディのエンジニアはその答えを用意していました。
量産車として世界初となる「リヤトランスアクスル・ダイナミックトルクコントロール」の採用です。
これは電気機械式に左右のトルクを瞬時に、かつ緻密に配分する技術で、重量級のボディをいとも簡単にコーナーのイン側へと引き込みます。
さらに、新開発のツインバルブ式ショックアブソーバーを備えたRSスポーツサスペンションが、路面の微細な変化を遮断しながら、ハードなコーナリング時には鉄壁のロール剛性を提供。
もはや「重さ」はネガティブな要素ではなく、路面への圧倒的な接地感と、外乱に動じないスタビリティへと昇華されているのです。
新型アウディRS5(2026年モデル)に量産車として世界初搭載された「電気機械式(エレクトロ・メカニカル)トルクベクタリング」は、一言で言えば「2.3トンを超える重さを感じさせない、異次元のハンドリング性能」をもたらします。
具体的に何が変わるのか、以下の4つのポイントで解説します。

1. 「重さ」を「鋭い回頭性」へと変える
PHEVシステムの搭載により、新型RS5は先代より約600kg重い約2.3トン(アバントは2,370kg)に達しました。
本来、この重量はコーナリングで致命的なアンダーステア(曲がりにくさ)を招きますが、このシステムが左右の後輪間で瞬時に、かつ自在にトルクを配分することで、車両を旋回方向へ積極的に押し出し、重量を感じさせない軽快な回頭性を実現します。
2. 驚異的な「反応速度」と「制御量」
従来の機械式デファレンシャルやブレーキ制御式とは一線を画すスペックを誇ります。
- 超高速演算:
制御ユニットが5ミリ秒(200Hz)ごとに計算を繰り返します。 - 即座の実行:
計算結果に基づき、わずか15ミリ秒以内にトルク配分を切り替えます。 - 圧倒的な力:
左右の車輪間に最大2,000Nmものトルク差を発生させることが可能です。
これにより、ドライバーの操作に対して遅延のない、極めて精緻なドライビング体験を提供します。

3. 「見えないマエストロ」による安定感と安全性
アウディはこのシステムを「ドライビングの楽しさと安全性を指揮する見えないマエストロ」と表現しています。
- コーナリング時:
外側の車輪に駆動力を集中させ、アンダーステアを劇的に低減します。 - レーンチェンジ時:
高速域での安定性を高める方向で介入し、挙動を乱しません。 結果として、物理的な限界付近での安定性とコントロール性が飛躍的に向上しています。

4. 「野性味」の解放(ドリフト走行への対応)
これまでのアウディ(クワトロ)は「盤石の安定性」が代名詞でしたが、この新システムによって「野性的な操縦性」も手に入れました。
- RSトルクリア・モード:
オプションで設定可能なこのモードでは、リアへのトルク配分を極端に増やし、クローズドコースでのドリフト走行を可能にします。 - データ解析:
MMIディスプレイには、達成したドリフト角度などの数値データを表示することも可能です。
まとめると、この技術は単なる駆動制御の進化ではなく、「電動化による重量増」という物理的な課題を、最新のデジタル技術で「濃密な接地感と俊敏性」へと昇華させるための鍵となっています。
4. インテリア:最新デジタルとRSのパッション
キャビンに足を踏み入れると、11.9インチのバーチャルコックピットと14.5インチのMMIタッチディスプレイが織りなす、パノラマディスプレイが目を引きます。

しかし、真のハイライトはステアリングホイールにあります。
親指一つで呼び出せる「RS1/RS2ボタン」、そして追い越し時にフルパワーを解放する「ブーストボタン」。
これらは単なるスイッチではなく、ドライバーとマシンの対話、そして高揚感を演出するための儀式といえるでしょう。

「サーペンタイングリーン」のステッチが施された専用シートは、ラグジュアリーでありながら、サーキットでのGをしっかりと受け止めるホールド性を兼ね備えています。

5. 日本での予想販売価格、受注・納車時期
欧州での受注開始は2026年第1四半期(1月〜3月)が予定されています。
日本国内への導入については公式発表前ですが、過去の傾向と最新レートから予測します。
- ドイツ本国価格:
- Sedan:106,200ユーロ(約1,731万円)
- Avant:107,850ユーロ(約1,758万円)(※1ユーロ=163円換算)
- 日本国内予想価格:1,850万円 〜 1,980万円(税込)(オプション装着車は2,000万円を超える可能性が高い)
- 日本受注時期:2026年 秋〜冬頃を予想。
- 日本納車開始:2027年 春以降の見込み。
欧州で2026年夏に納車開始。これまでの例で見れば、日本上陸は2027年初頭〜かと思われます。
価格はPHEV化と円安の影響で、先代(約1,400万円〜)より200〜300万円アップの1,600〜1,700万円?クラスになる可能性があり、2,000万弱と予想したのは、日本注文時の為替の影響を考慮してみました。
Audiの目玉は最先端技術なので、後から追加不可な最先端系オプションは是非とも選択しておきたいものです。(リセール的にも)

6. ライバル比較:BMW M3とメルセデスAMG C63
ハイパフォーマンス・セグメントにおいて、新型RS 5が直面するライバルはかつてないほど個性的です。
「純粋な内燃機関」を貫くBMW、そして「4気筒+強力なモーター」へと舵を切ったメルセデス。
新型RS 5は、その中間に位置する「V6エンジンの情熱と、高度な電動化」を併せ持つ、極めて戦略的なパッケージングで挑みます。
各車のスペックを比較表にまとめました。
ハイパフォーマンス・スポーツセダン 比較表
| 項 目 | 新型 Audi RS 5 (B10) | BMW M3 Competition (xDrive) | Mercedes-AMG C63 S E PERFORMANCE |
| パワートレイン | 2.9L V6ツインターボ + モーター (PHEV) | 3.0L 直6ツインターボ (ICE) | 2.0L 直4ターボ + モーター (PHEV) |
| 最高出力 | 470kW (639PS) | 390kW (530PS) ※LCIモデル | 500kW (680PS) |
| 最大トルク | 825Nm | 650Nm | 1,020Nm |
| 0-100km/h加速 | 3.6秒 | 3.5秒 | 3.4秒 |
| 車両重量 | 約2,355kg | 約1,855kg | 約2,165kg |
| EV航続距離 | 80km以上 | ー | 約15km |
| 駆動方式 | 4WD (quattro) | 4WD / FR切り替え可 (M xDrive) | 4WD (4MATIC+) |
スポーツカーよりも、新型Sクラスに興味のある方はこちら⬇️
ライターズ・チェック:三者三様の「速さ」の定義
この3台の比較で見えてくるのは、各メーカーの「次世代スポーツ」に対する哲学の違いです。
- BMW M3:
依然として「軽量さ」と「直6エンジンの官能性」を重視。モーターを搭載しない分、車重は2トンを大きく切り、サーキットでの軽快なハンドリングを追求しています。 - メルセデスAMG C63:
4気筒化という大胆な決断をし、その分をF1譲りの強力な電動システムで補っています。
1,000Nmを超えるトルクは圧巻ですが、エンジンサウンドやフィールの面で好みが分かれるところです。 - 新型 Audi RS 5:
「V6エンジンの情緒」と「実用的なEV性能(80km)」を両立させた点が最大の特徴です。
ライバル中最も重い2.3トンという車重に対し、世界初の電気機械式トルクベクタリングで「物理法則を書き換えるような走り」を提示しており、最も知的な選択肢といえるでしょう。

もしも貰えるなら、皆様はどの車種を選びますか?
(私はC63かも)
結論:新型RS 5が市場に与えるインパクト
新型Audi RS 5は、私たちが慣れ親しんだ「軽さこそ正義」というスポーツカーの価値観に一石を投じる存在です。
PHEV化による2.3トンの重量という事実は、一見すると退化に見えるかもしれません。
しかし、アウディがquattro 45年の歴史で培った駆動制御技術は、その重さを「魔法」のように消し去り、異次元のトラクションへと変えてみせました。
日常の80kmを静寂のEVとして走り抜け、週末の峠道では639馬力の怪物を解き放つ。
新型RS 5は、内燃機関の情熱をあきらめない人々に贈る、最も知的で野蛮な回答かもしれません。
最後に
『RS4』という名前がなくなることに寂しさを感じるファンも多いはずです。
しかし、639馬力という歴代最強のパワーを手に入れ、V6の鼓動を守り抜いた新型RS5は、間違いなくRS4のDNAを最も濃く受け継ぐ一台です。
ワゴン(アヴァント)かセダンか。
究極の選択が、今ここから始まります。

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ソース一覧
- Audi Japan Press Center: 新型Audi RS 5:ハイブリッドで実現するハイパフォーマンス
- Audi MediaCenter: The new Audi RS 5 Sedan / Avant Official Data
- carview!: アウディ新型「RS5」世界初公開 初のPHEV化で“最強”トータル639馬力
- Creative Trend: 【美しき怪物】アウディ新型RS5が世界初公開!PHEV化で2,300kg超えの衝撃
- Life in the FAST LANE: アウディが新型RS5発表、639馬力の怪物PHEVへ



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