- アンソロピック(ティッカー「ANT」)の目論見書には、公募を行う国として日本が明記されている
- 日本で抽選を受け付ける証券会社はまだ未発表。スペースXのときは楽天証券とSBI証券が抽選を受け付けた(みずほ証券も販売に加わったと報じられた)
- スペースXは日本の届出から申込締切まで約2週間。口座・外国株口座・米ドルは11月上旬までにそろえておくのが安全
- NISAを他社から移す手続きは、2026年分が9月30日で締め切られている。今から移しても今年の枠では買えない
- 抽選に外れても、上場後に市場で買うルートが残っている
「アンソロピックの株って、日本から買えるの?」
答えは、たぶん買えます。ただし「買える」と発表された日に口座を開き始めると、たぶん間に合いません。
沖縄に住んでいると身に染みますが、台風が来ると分かってから養生テープを買いに行くと、ホームセンターの棚はもう空っぽです。
IPO(新規上場)の抽選もこれと同じで、発表から締切までが短すぎて、準備していた人しか申し込めません。
この記事では、6月のスペースX上場で実際に何が起きたかを前例にして、アンソロピック株を日本から買うまでの段取りを逆算します。
上場日や目論見書の中身はアンソロピックIPOの最新情報と目論見書(S-1)の解説にまとめているので、ここでは「買い方」だけに絞ります。
- 結論:日本から買うルートは2つ。どちらも「11月上旬」が分かれ目
- スペースXの前例で読む「届出から締切まで2週間」のタイムライン
- ルート①IPO抽選:申し込める可能性がある証券会社
- 準備①証券口座と「外国株の口座」を開いておく
- 準備②米ドルを用意する(当選確率を上げた前例も)
- 準備③NISAの確認:他社から移すなら、今年の枠は間に合わない
- ルート②上場後に市場で買う:初日の注意点
- 口座がない人向け:証券会社の選び方
- 上級者向け:CFDで値動きだけを取引する選択肢
- 「上場前のアンソロピック株が買えます」は詐欺のサイン
- 【25年投資家の視点】当選を喜ぶ前に「売り解禁の時間割」を見る
- まとめ:発表を待つ人と、準備して待つ人
- よくある質問
- 更新履歴
- 主な参照元
結論:日本から買うルートは2つ。どちらも「11月上旬」が分かれ目
アンソロピック株を日本から手に入れる方法は、次の2つです。
- ルート①:上場前のIPO抽選に申し込み、当たれば公開価格で買う
- ルート②:上場した後に、ナスダック市場で普通の米国株として買う
ルート①は、日本の証券会社が取扱いを発表してから締切まで、スペースXの前例で約2週間しかありません。
ルート②は上場当日から買えますが、そもそも外国株の口座がなければ話が始まりません。
どちらを選ぶにしても、口座の準備は11月上旬までに終わらせておきたいところです。
抽選まで狙うなら、スペースXで抽選を受け付けた実績があるSBI証券か楽天証券に、外国株口座まで開いておく。
すでに口座がある人は、外国株口座が開いているかをログインして確認する。
上場後に買えれば十分な人は、選択肢がもっと広がります(後半の比較を参照)。
スペースXの前例で読む「届出から締切まで2週間」のタイムライン
アンソロピックは10月26日に目論見書(S-1)を一般公開しました。
報道では、上場は11月16日の週が目標(ウォール・ストリート・ジャーナル)で、11月26日(米国の感謝祭)の前に取引が始まる可能性があるとされています(ブルームバーグ)。
ここで物差しになるのが、6月のスペースXです。日本の金融当局への届出書が出たのが5月27日。
SBI証券の申込受付は6月5日から11日の午前10時59分まで、上場は6月12日でした。
届出から締切まで、ちょうど2週間ほどしかなかったわけです。
つまり、日本の届出書が出たと報じられた時点で、残り時間はもう2週間を切っています。
その2週間で「口座開設→外国株口座→米ドル入金→申込」を全部やるのは、不可能ではありませんが、書類の不備ひとつで終わります。
ルート①IPO抽選:申し込める可能性がある証券会社
先に正直に書いておくと、10月28日時点で、アンソロピックの抽選を受け付けると発表した日本の証券会社は1社もありません。ここからは「前例」と「推測」を分けて整理します。
前例:スペースXで抽選を受け付けたのは楽天証券とSBI証券
みずほ証券も販売に加わったと報じられましたが、個人向けの受付の詳細は確認できませんでした。
ここでは条件が分かっている2社を並べます。2社の条件は、かなり違いました。
- SBI証券:
米ドルでの決済のみ。外国株の取引口座を事前に別途開く必要があった。購入手数料は無料で、NISAの成長投資枠でも買えた - 楽天証券:
円で決済でき、事前のドル両替は不要。外国株の口座は総合口座の開設時に自動で開く仕組み。NISAの成長投資枠でも買えた
SBI証券にとっては、スペースXが初めての米国株IPOの取扱いでした。
一度やった仕組みは二度目のほうが早く回るので、アンソロピックでも同じ顔ぶれが並ぶと見るのが自然です。
推測:MUFG系が入ると、何が変わるか
今回の引受団(株を売りさばく証券会社のチーム)には、みずほとMUFG(三菱UFJフィナンシャル・グループ)の米国法人が入っています。
スペースXのとき、日本での販売で名前が挙がっていた日系の引受会社はみずほでした。
MUFGが加わったことで、MUFG系の証券会社が日本での販売に加わる可能性があります。
ただし、これは引受団の顔ぶれからの推測で、どの会社が扱うかは発表を待つしかありません。
準備①証券口座と「外国株の口座」を開いておく

ネット証券の総合口座は、スマホでの本人確認を使えば最短で即日に開けるところが増えました。
見落としやすいのは、米国株を買うには総合口座とは別に「外国株の取引口座」が要る証券会社がある点です。
スペースXのとき、SBI証券では外国株の取引口座を事前に開いておく必要がありました。
オンラインで申し込んでも、外国株口座の開設には即日から数営業日かかることがあり、日数は証券会社によって違います。
抽選の発表を見てから申し込むと、この数日が命取りになります。
- 口座がない人:総合口座と外国株口座を同時に申し込む
- 口座がある人:ログインして、外国株の口座が「開設済み」になっているか確認する
- どちらの人も:郵送での申込は1〜2週間かかるので避ける
準備②米ドルを用意する(当選確率を上げた前例も)
スペースXのSBI証券では、決済が米ドルのみでした。
締切日の午後3時までに、購入代金を米ドルの買付余力として用意しておく必要がありました。
抽選の結果を見てから両替すればいい、とはいかない仕組みです。
金額の目安として、スペースXの公開価格は1株135ドルでした。
1ドル=158円(10月27日時点の概算)で計算すると約2万1,300円です。
アンソロピックの価格はまだ出ていません。
価格帯が発表されたら「上限価格×株数」のドルが必要になる、と考えておいてください。
もうひとつ、SBI証券には当選確率を上げる仕掛けがありました。
SBI新生銀行の「SBIハイパー預金」の残高が10万円以上あると、スペースXの抽選で当選確率が上がったのです。
この預金は円なので、抽選に必要な米ドルの買付余力には反映されません。ドルとは別に用意する必要があります。
アンソロピックで同じ条件になるかは未発表ですが、知っているかどうかで差がつく前例です。
準備③NISAの確認:他社から移すなら、今年の枠は間に合わない

ここは見落とされやすいポイントです。
NISAの口座は1人1つで、別の証券会社に移す手続き(金融機関の変更)は、2026年分が9月30日で締め切られています。10月1日以降に手続きした分は、2027年分の扱いです。
つまり、たとえば楽天証券でNISAを使っている人が、アンソロピックのためにSBI証券へNISAを移しても、2026年の枠では買えません。
- NISAをまだ持っていない人:
新規で開けば、楽天証券・SBI証券とも税務署の審査前に取引できる「仮開設」の仕組みがある。ただし楽天証券ではIPOは仮開設の対象外で、審査完了後でないとNISAで申し込めない - NISAをすでに他社で持っている人:
今年はその会社で買うか、別の会社の課税口座で買うかの二択 - NISAで抽選に申し込めるかは、仮開設中の扱いも含めて各社の発表を確認する
「NISAのある会社」と「抽選を扱う会社」が一致しない人は、今年はNISAをあきらめて課税口座で申し込む、という割り切りも必要になります。
ルート②上場後に市場で買う:初日の注意点
抽選に外れても、上場した後に普通の米国株として買う道が残っています。
スペースXのときは、三菱UFJ eスマート証券が上場初日の6月12日から売買の取扱いを始めていました。
ほかの証券会社がいつから扱うかは、上場前の各社の発表で確認してください。
ただし、初日にはいくつかクセがあります。
- 初値が決まるまで、成行注文は出せないことがある(スペースXのときの三菱UFJ eスマート証券)
- 公開価格から大きく離れた指値は、取り消されることがある(同上)
- 米国市場は11月1日から冬時間になり、取引は日本時間の23時30分から翌朝6時まで
- 大型IPOの初値は、上場の取引開始からしばらく決まらないこともある
上場初日の夜にスマホを握りしめて初値を待つのは、年に一度のお祭りとしては楽しいものです。
ただ、お祭りの屋台は、だいたい普段より高い値段で売られています。
口座がない人向け:証券会社の選び方
「どこで口座を作ればいいのか」を、目的別に並べます。どの会社も、アンソロピックの取扱いはまだ発表していません。
前例と特徴で選ぶしかない、という前提で読んでください。
ちなみに筆者自身も、SBI証券のユーザーです。
新生
上場後に買えれば十分な人は、抽選の実績にこだわる必要はありません。
スペースXを上場初日から扱った三菱UFJ eスマート証券は、今回の引受団にMUFG系が入っている点でも目が離せない1社です。メインとは別に、米国株用のサブ口座を持っておくのも手です。
e
株
上級者向け:CFDで値動きだけを取引する選択肢
株そのものを持たず、値動きの差額だけをやり取りする「CFD」という取引もあります。
DMM.com証券の投資アプリTOSSYは、スペースXを7月25日から扱い始めました。上場から約6週間後です。
アカウント管理費と取引手数料は無料ですが、売値と買値の差(スプレッド)があり、レバレッジもかかります。
株主になれるわけではなく、相場が荒れると損失が膨らむ仕組みなので、IPO直後の乱高下に乗るのは上級者に限った話です。
「上場前のアンソロピック株が買えます」は詐欺のサイン
上場前の株を個人に売るという話は、アンソロピックの場合ほぼ確実に怪しいと考えてください。
同社は、会社が認めていない株の譲渡は無効だと明言し、警告を出しています。
SNSのDMで「特別枠」を持ちかけられたら、その時点で閉じるのが正解です。
どうしても「上場前の会社に投資する」体験をしてみたいなら、国内の非上場企業に投資できるFUNDINNO(ファンディーノ)のような株式投資型クラウドファンディングがあります。
もちろんアンソロピック株は買えませんし、投資先が倒産すればお金はゼロになります。
次のアンソロピックを探す宝探しは、外れくじのほうが多いと割り切れる人向けです。
【25年投資家の視点】当選を喜ぶ前に「売り解禁の時間割」を見る

IPOの抽選に当たると、宝くじに当たったような気分になります。
ただ、IPOの公開価格は「会社と引受団が、売れ残らない範囲で一番高く付けた値段」です。
宝くじというより、人気店の整理券に近い。
整理券をもらえたことと、その料理が値段に見合うかどうかは、別の話です。
アンソロピックで特に見ておきたいのが、売却の解禁スケジュールです。
ブルームバーグの報道によると、一部の社員などは上場初日から株を売ることができ、27営業日目と48営業日目にも追加で売却が解禁される計画です。
売れる株の量や条件は、まだ明らかになっていません。
普通のIPOでは、上場前からの株主は半年ほど売れないのが一般的です。
それが今回は、売りたい人が何回かに分けて順番に出てくる時間割になっています。
上場後に買う人は、この日付の前後で株価がどう動くかを見てからでも遅くありません。
参考までに、スペースXの株価は公開価格135ドル(約2万1,300円)、上場来高値225.64ドル(約3万5,700円)、安値104.83ドル(約1万6,600円)と大きく振れ、10月26日の終値は146.90ドル(約2万3,200円)でした(1ドル=158円で換算)。
高値で飛びついた人と公開価格で当たった人とでは、同じ株でも見えている景色がまるで違います。
この話は、noteの「だから言ったじゃん。庶民がスペースXのIPOに手を出すとどうなるか。」でも書きました。
本記事は情報提供を目的としたもので、特定の銘柄の売買を勧めるものではありません。
株式は値下がりにより元本を割り込むことがあり、米国株は為替の変動による損失も生じます。
IPO直後は値動きが特に大きくなることがあります。
投資の判断は、目論見書と各証券会社の最新の案内を確認したうえで、ご自身で行ってください。
まとめ:発表を待つ人と、準備して待つ人
- アンソロピックの目論見書には日本での公募が明記されている。取扱う証券会社は未発表
- スペースXの前例では、届出から締切まで約2週間。発表を見てからの口座開設はギリギリ
- 今週中にやること(抽選に申し込むと決めた人向け):外国株口座まで開く、米ドルの用意を考える、NISAがどこにあるか確認する
- NISAを他社から移しても2026年の枠には間に合わない
- 抽選に外れても、上場後に市場で買える。売り解禁の日付は頭に入れておく
日本の証券会社の取扱いが発表されたら、この記事を更新します。
- アンソロピック株は日本で買える?楽天・SBIの抽選と上場後の購入、NISAを移す人は要注意

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よくある質問
- Qアンソロピック株は日本から買えますか?
- A
目論見書(S-1)に日本での公募が明記されているため、IPOの抽選に日本から申し込める見込みです。10月28日時点では、取扱う証券会社は発表されていません。上場後は、米国株を扱う証券会社で市場から買えるようになる見込みです。
- Q楽天証券やSBI証券で抽選に申し込めますか?
- A
まだ発表はありません。2026年6月のスペースXでは、楽天証券とSBI証券が抽選を受け付けました。同じ形になるかは、日本の届出書が出た後の各社の発表で確認してください。
- Qいつまでに口座を開けば間に合いますか?
- A
スペースXでは、日本の届出から申込締切まで約2週間でした。外国株口座の開設に数日かかることもあるため、11月上旬までに外国株口座まで開いておくのが安全です。
- QNISAでアンソロピック株を買えますか?
- A
スペースXでは、楽天証券とSBI証券ともにNISAの成長投資枠で買えました。ただし、NISAを他社から移す手続きは2026年分が9月30日で締め切られているため、今から移しても2026年の枠では買えません。NISAを新規で開く人は、楽天証券・SBI証券とも審査前に取引できる仮開設の仕組みがあります。ただし楽天証券ではIPOは仮開設の対象外で、審査完了後でないとNISAで申し込めません。
- Q抽選の当選確率を上げる方法はありますか?
- A
スペースXのSBI証券では、SBI新生銀行の「SBIハイパー預金」の残高が10万円以上あると当選確率が上がりました。アンソロピックで同じ条件になるかは未発表です。
- Q上場前のアンソロピック株を買う方法はありますか?
- A
個人が上場前に買う正規のルートは、IPOの抽選だけと考えてください。アンソロピックは、会社が認めていない株の譲渡は無効だと警告しています。上場前の株を売るという勧誘は詐欺を疑うべきです。
更新履歴
- 2026年10月28日:記事を公開
主な参照元
- アンソロピック S-1(米証券取引委員会、2026年10月26日公開)
- ロイター「アンソロピックIPO、みずほ・MUFGも幹事証券 日本でも販売へ」(2026年10月27日)
- ソウル経済新聞(英語版)、日本経済新聞、ウォール・ストリート・ジャーナル、ブルームバーグ、ヤフー・ファイナンス(米国版)の報道
- SBIホールディングス「SBI証券によるスペースX株式のIPO購入申込受付開始」(2026年6月5日)
- 三菱UFJ eスマート証券「スペースX社のNASDAQ市場新規上場と取り扱い開始のお知らせ」(2026年6月12日)
- 楽天証券「NISA即日買付制度」のお知らせ(2026年3月9日)、SBI証券「NISA口座開設の流れ」
- マネックス証券「【NISA】2027年分の金融機関変更は10月1日から」(2026年9月16日)
- DMM.com証券 TOSSYの取扱銘柄追加に関するリリース(2026年7月)
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