「NOT A HOTEL」という名前の会社から、ついに「HOTEL」が消えた。2026年10月2日付で、社名が「NOTA株式会社」に変わったのだ。ホテルではないと名乗っていた会社が、社名でもホテルではなくなった。
ここまで来ると筋が通っている。
ただ、沖縄に住んでいる人間として、社名より気になることがある。この会社、沖縄での仕掛けが尋常ではない。
宮古島では11月に一般の客も泊まれる一棟貸しが開き、石垣島には約3,000坪に一棟だけのヴィラがあり、沖縄本島ではザハ・ハディドの事務所が日本初のホテルを設計している。
10月5日には、もう一組の世界的建築家による沖縄のヴィラ計画まで加わった。
正直に言う。純粋に、楽しみだ。
この記事は批判でも投資のすすめでもなく、公式情報だけで「沖縄のNOT A HOTEL」を整理したものである(情報は2026年10月7日時点)。
SUMMARY
30秒でわかる、沖縄のNOT A HOTEL
宮古島MIYAKO ANNEX。2026年11月1日開業。一般ゲストも宿泊可(一休で予約ページ公開中)
石垣島ISHIGAKI EARTH。2025年7月開業。約3,000坪に円形ヴィラが一棟のみ(設計:藤本壮介氏)
沖縄本島vertex(設計:ZHA)。日本初のホテル。所在地・開業時期は未発表
NEW(10/5発表)ヘルツォーク&ド・ムーロン設計の沖縄ヴィラ計画。詳細は未発表
社名から「HOTEL」が消えても、沖縄は主役のまま
NOTAへの社名変更は、ホテルだけでなく住宅、移動、街づくりへ事業を広げるためのものだ。
ただし「NOT A HOTEL」というブランドは中核として残り、公式サイトでも使われ続けている。
事業を広げる会社は、普通は看板の土地を手放さない。
NOTAも10月5日の発表で、今後は関東、北海道、沖縄、関西の開発を加速すると明言している。
沖縄は、その柱の一つだ。
宮古島:11月1日、誰でも泊まれる「MIYAKO ANNEX」が開く
「NOT A HOTEL MIYAKO ANNEX」は、宮古島・伊良部エリアのビーチ沿いに建つ一棟貸しのヴィラだ。
もともとあった建物を、建築家の芦沢啓治氏がリノベーションした。公式は「海まで約30秒」とうたう。
芦沢氏の方針は、過剰な演出を足さず、余白と静けさの中に島の魅力がにじむようにすること。
大きく作り変えるのではなく、素材と佇まいを丁寧に整え直す。
派手さで勝負しない設計に、大人の沖縄好きは弱い。
SPEC
MIYAKO ANNEX の基本情報
開業 2026年11月1日
客室 1室(一棟貸し)、3ベッドルーム(うち2室にジャグジー)
設備 約125㎡のリビング・ダイニング、幅約25mのインフィニティプール、サウナ
所在地 沖縄県宮古島市伊良部字伊良部
アクセス 宮古空港から車で約20分、下地島空港から約10分
注意 現地でのカード決済は不可。ペット不可。朝食の案内なし。プールに昇温機能はなし
一休では、すでに予約ページが公開されている。
私が見た10月7日時点では、空室なしの表示で、料金も未掲載だった。
開業前なので、受付が動くのはこれからだろう。
客室は1室だけ。人気が出れば、あっという間に埋まる。
気になるなら、一休の「行きたい宿」に入れておくと、探し直す手間が省ける。
なお、NOT A HOTELのオーナーは、相互利用先としてこの棟を予約できると公式が説明している。
ACTION
まずは一休で、空室と料金をのぞいてみる
開業は11月1日。宿泊料金と空室は、時期によって変わります。最新の状況は予約ページで確認してください。
一休で空室・料金を見る※一休.comへのリンクにはアフィリエイト広告が含まれます。
石垣島:約3,000坪に、たった一棟。「ISHIGAKI EARTH」
2025年7月1日に開業した「NOT A HOTEL ISHIGAKI EARTH」は、建築家・藤本壮介氏の設計だ。
石垣島の南東の海岸沿い、約3,000坪の敷地に、円形のヴィラがたった一棟だけ建つ。
4ベッドルームで、最大10人が泊まれる。
プールや水盤まで含めた総面積は約1,500㎡で、これまでのNOT A HOTELの中で最大規模になる。
新石垣空港から車で11分という距離も、地味に効く。
ちなみに販売時の値札は、1棟で約42億円(税込)だった。
石垣島のリゾートヴィラに泊まった身としては、空港から遠いことが唯一のネックだった。
そこをここまで詰めてくるのか、と思う。大人数で来て、プールサイドで飲んで、部屋に分かれて寝る。
そういう使い方がいちばん似合う家だ。
ただしEARTHは、オーナー向けの物件が基本の位置づけだ。
一般の宿泊が可能かどうか、空室があるかどうかは、公式サイトの最新情報で確認してほしい。
沖縄本島:ザハ・ハディドの事務所が選んだ、日本初の舞台「vertex」
2025年12月に発表された「vertex by NOT A HOTEL」の第一弾は、沖縄本島だ。
設計は、ZHA(旧ザハ・ハディド・アーキテクツ。故ザハ・ハディド氏が1980年に設立した英国の建築事務所)。ZHAにとって、日本初のホテルになる。
公式に出ている条件はこうだ。
白砂の浜と、森の急斜面のあいだに建つ。敷地は25,322㎡で、坪に直すと約7,700坪。石垣島のEARTHの2.5倍ほどある。地盤は琉球石灰岩で、森と海岸のきわどい境目に、建物を浮かせるように置く設計だ。
素材にも沖縄が使われる。琉球松の彫刻、地元の採石場の石灰岩、近隣の工房で焼かれた陶器。
島内の古い構造物から出た再生骨材を、コンクリート部材に使う計画もある。地元側の設計は久米設計が担う。
そして、台風記事を毎年書いている身として、ここは読んでニヤリとした。
すべての施設を、高潮線から6.5m以上の高さに置くという。
夏の台風の強風、豪雨、高潮に耐える設計を、最初から前提にしている。
沖縄に建てるなら、これが当たり前であってほしい。
では、どこに建つのか。公式は場所を明かしていない。
開業時期も未発表だ。本記事も、推測で地名を書くことはしない。
予想を立てて楽しむのは自由だが、答え合わせは公式発表を待ちたい。
もう一組の巨匠も、沖縄へ
10月5日には、ヘルツォーク&ド・ムーロン(北京の「鳥の巣」を設計したことで知られるスイスの建築家ユニット)による、沖縄のヴィラ計画も発表された。
海に向かって水平の床板が張り出し、風景を引き立てる造形だという。場所や時期は、まだ出ていない。
なお、ブランデッドレジデンスの観点からvertexを整理した記事もあるので、あわせて読むと位置づけがつかみやすい。→ 最高級ブランデッドレジデンスと沖縄の関係を整理した記事
沖縄を「買う」のではなく「10泊分だけ持つ」という発想
NOT A HOTELの仕組みは、所有権を小分けにして買うことだ。年10泊から買えて、10泊なら物件の1/36、30泊なら1/12を持つことになる。
1棟まるごとなら、年360日だ。所有権なので、売却も相続もできる。
条件もある。取得から3年間は保有が必要で、4年目以降に、同社のマーケットプレイスで第三者へ売却できる。
購入の審査はオンラインで、最短約1か月。法人名義も可能だ。買ったら全国のNOT A HOTELを相互に使える。
つまり、石垣島の持分で宮古島に泊まる、といった行き来ができる。
規模も大きい。
公式によれば、全国10拠点を開業済みで、オーナーは1,357名、累計の契約高は約940億円(2026年10月1日時点)。
官報の決算公告では、2026年3月期は売上高112.7億円、当期純利益6.2億円の黒字だった。
沖縄の物件では、EARTHが1棟約42億円(税込)で販売された。vertexをはじめ、ほかの沖縄案件の価格は未発表で、購入条件は公式サイトの資料請求で確認できる。ここは憶測で書ける領域ではないので、書かない。
楽しみな沖縄ほど、「建て方」まで見ておきたい
沖縄には、いま超高級計画が次々に来ている。NOT A HOTELの計画が楽しみなのは確かだが、泊まる側、買う側として本当に見ておきたいのは、建物の見た目の外側だ。誰の資金で、いつ開くのか。
NOT A HOTELは、創業期の出資企業の開示資料に「販売完了後に建設を開始」とあるように、売ってから建てる設計思想で始まった会社だ(現在も同じかどうかは未確認)。官報で決算も確認できる。
ここまで情報が出ていれば、楽しみに待つ側も安心しやすい。
一方で、恩納村のフォーシーズンズ沖縄は、総事業費が約1,000億円の大型計画だ。
私が公開した続報記事の時点では、開業は「2027年夏」から同年第4四半期へ後ろ倒しになった。
これも楽しみな計画だからこそ、資金の出どころと開業の見通しを、数字で追いかけたくなる。
この続きは、有料のNOTEにまとめた。
フォーシーズンズ沖縄の資金構造と、親会社の資金繰りを、決算の数字から追っている。
「期待しているからこそ、裏側を知っておきたい」という沖縄好きの方に向けた記事だ。
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楽しみなフォーシーズンズ沖縄の「お金の話」
開業時期の後ろ倒し、親会社の資金繰り、決算の数字。無料記事では書き切れなかった部分を、有料NOTEにまとめています。
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まとめ:沖縄好きの大人が、いまできること
- 宮古島のMIYAKO ANNEXは、一休の予約ページを確認する。開業は11月1日、客室は1室だけ
- 石垣島のEARTHとvertexは、公式サイトの最新情報の受け取りと資料請求で動きを追う
- 買うことを考えるなら、3年間の保有条件、売却の仕組み、相互利用の範囲を、契約前に必ず確認する
沖縄に、これだけ世界的な建築家が集まる。住んでいる人間としては、素直に誇らしい。
ただし、楽しみにすることと、よく見ることは両立する。新しい情報が出たら、この記事を更新していく。
※本記事は公式発表と公開情報をもとにした情報提供であり、物件の購入や投資を勧めるものではありません。価格・空室・開業時期は変更される場合があります。最新情報は各公式サイトでご確認ください。
よくある質問
- QNOT A HOTELの社名変更はいつですか?
- A
2026年10月2日付で、NOT A HOTEL株式会社は「NOTA株式会社」に社名を変更しました(10月5日発表)。ホテル事業の「NOT A HOTEL」というブランド名は、中核として引き続き使われています。
- Q沖縄でNOT A HOTELに泊まれる場所はありますか?
- A
宮古島の「NOT A HOTEL MIYAKO ANNEX」が2026年11月1日に開業予定で、一般のゲストも宿泊できます。一休で予約ページが公開されています(空室と料金は時期により変わります)。石垣島のEARTHはオーナー向けが基本のため、宿泊の可否は公式サイトでご確認ください。
- Qvertex沖縄はどこに建ちますか?いつ開業しますか?
- A
2026年10月7日時点で、所在地も開業時期も公式には発表されていません。公式に分かっているのは、沖縄本島であること、敷地が25,322㎡であること、ZHAが設計することです。
- QNOT A HOTELの物件は何泊分から買えますか?
- A
年10泊分(物件の1/36)から購入できます。30泊分(1/12)や、1棟まるごと(年360日)も選べます。所有権のため売却と相続が可能で、取得から3年間は保有が必要です。法人名義での購入も可能です。
- QNOT A HOTELの経営状況は大丈夫ですか?
- A
官報の決算公告では、2026年3月期は売上高112.7億円、当期純利益6.2億円の黒字でした。一方で、出資と借入による資金調達で拡大している会社でもあります(2026年2月時点の累計調達額は約332億円、同年8月にはシリーズDで165億円の取引を公表)。購入を検討する場合は、重要事項説明と契約書で条件を確認してください。本記事は投資判断を示すものではありません。





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