スーパーカーの帝王は、引退後に何を始めたか。答えは、ブドウ畑です。
アウトモビリ・ランボルギーニの創業者、フェルッチオ・ランボルギーニ(1916〜1993)。
トラクターで財を成した人物で、有名な逸話では、愛車フェラーリの不具合を指摘して門前払いされ、「だったら自分で作る」と車会社を興したとされます。
そんな彼が、会社を手放したあとに選んだ第二の人生が、イタリア中部ウンブリア州のワイナリー「テヌータ・ランボルギーニ」(テヌータ=農園)でした。
看板の赤ワインの名前は「サングエ・ディ・ミウラ」。直訳すると「ミウラの血」です。
あの「ミウラ」です。
スーパーカー好きでも、ここまで知っている人は多くないはず。
この記事は車の話を最小限にして、ワインに振り切ります。


世間が知っているランボルギーニの顔。今回の主役は、その裏手にある畑です。
ランボルギーニのワインの正体は、車の会社ではなく「創業者の畑」
先にひとつ、誤解を解いておきます。
ランボルギーニのワインを造っているのは、車を作っているアウトモビリ・ランボルギーニ(現在はフォルクスワーゲン・グループ傘下)ではありません。
創業者の家族が受け継いできた、別のワイナリーです。
舞台は、イタリア中部ウンブリア州。
トスカーナとの州境に近く、イタリア中部で最大のトラジメーノ湖のほとり、中世の面影が残る小さな村パニカーレを望む丘陵地です。
敷地は約100ヘクタール、東京ドーム約21個分。
そのうち約32ヘクタールがブドウ畑で、9ホールのゴルフ場や宿泊施設まで同じ敷地に収まっています。
スーパーカーの創業者らしく、引退後のスケールも普通ではありません。
ただ、これは道楽というより里帰りでした。フェルッチオが生まれたのは、エミリア・ロマーニャ州の農村。
ブドウを育てる農家の家だったと伝えられています。
トラクターも、スーパーカーも、突き詰めれば機械いじりの延長。
引退して戻った先は、いちばん最初の風景だったわけです。

年表でたどる、トラクターからスーパーカー、そしてブドウ畑へ
土地を手に入れた年は、資料によって食い違いがあります。
いずれにせよ、車の会社を手放す前後には畑を押さえていたことになります。
「引退してから思いつき」ではなく、前々から用意していた気配があります。
看板ワイン「サングエ・ディ・ミウラ(ミウラの血)」に込められたもの
牛に縁がある理由は単純で、フェルッチオ自身が牡牛座生まれだったから。
ランボルギーニの車名に闘牛にちなんだものが多いのは、このためです。
そのミウラの名を、今度はワインに持ち込みました。
さらに面白いのは、味より先に「規格外」だったこと。
イタリア品種とフランス品種を混ぜる自由な造りだったため、当時は上位の格付け(DOC=産地・品種・製法を国が定める認証)を名乗れず、ひとつ下の地酒扱いで売るしかなかった、という話が残っています。
それでも通の間で評判になり、国境を越えて知られるようになりました。
規格に収まらないほうが愛される。車で証明した方程式を、畑でもやってのけたわけです。
醸造を任されたのは、ワイン界のスターエンジニア リカルド・コタレッラ
ワインの品質が一段上がったのは、1990年代後半です。
フェルッチオの没後、娘のパトリツィアが経営を継ぎ、1997年ごろから畑と醸造の改革が本格化します。
その醸造面を担ってきたのが、イタリアを代表する醸造コンサルタントのリカルド・コタレッラ(Riccardo Cotarella)です。
- 1948年生まれ。ウンブリア州オルヴィエートの出身
- 1968年、名門のコネリアーノ醸造学校を卒業
- 兄レンゾ(トスカーナの名門アンティノリの要職)とワイナリー「ファレスコ」を創業
- これまでに世界100以上のワイナリーと仕事をしてきた
- 米誌ワイン・エンスージアストの「ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー」(2001年)
- イタリア醸造技術者協会(アッソエノロジ)の会長。2013年に就任し、2025〜2027年期も続投
- ローマ教皇庁(バチカン)のワイン造りにも関わる
車でいえば、新型を出すたびにベンチマークを塗り替えるチーフエンジニア。
ランボルギーニの畑は、そういう人物の手が入ってきたワインです。
ランボルギーニワインのラインナップを赤・白・泡で整理する
ざっくり言えば、赤が本籍で、泡はブランドの入口を広げる役。これは私の見立てです。
ウンブリアの畑で造る赤が本流で、泡はヴェネトで造って間口を広げている、というイメージです。
初心者でも外さない、ランボルギーニワインの飲み方
ワインに詳しくなくても大丈夫です。難しい作法は要りません。
日本で買えるランボルギーニワイン。迷ったらこの2本
本拠地はウンブリアでも、ネット通販なら日本でも手に入ります。まず、記念ボトルの話から。
2016年は、フェルッチオの生誕100周年でした。車のほうは記念モデル「チェンテナリオ」を40台限定で発売。
価格は175万ユーロ(当時のレートで約2億1,500万円)で、全車が完売しています。
ワインの記念ボトルなら、桁がいくつも違う予算で、同じ祝杯に参加できます。
日本での展開も動いています。
2025年11月、日本を拠点とするTLA社が東京でブランドイベントを開き、世界14カ国から来場者が集まったと発表しました。スーパーカーのように世界中で愛されるワインを、という創業者の理念が語られたそうです。


Amazonのアソシエイトとして、うさぎ技研は適格販売により収入を得ています。
いつか行きたい。テヌータ・ランボルギーニに泊まる
飲んで気に入ったら、次は現地です。
車のランボルギーニは、速さで世界を驚かせました。
ワインのランボルギーニは、その名前の裏側にいた人間を教えてくれます。
トラクターを作り、スーパーカーを作り、最後に選んだのが畑。
この順番を知ってからグラスを傾けると、ラベルの雄牛がちょっと違って見えるはずです。
ランボルギーニのワインに関するよくある質問
- Qランボルギーニのワインは、車のランボルギーニ社が作っているのですか?
- A
いいえ。創業者フェルッチオ・ランボルギーニが引退後に興したワイナリー「テヌータ・ランボルギーニ」のワインで、車を作るアウトモビリ・ランボルギーニとは別の存在です。フェルッチオの没後は、娘のパトリツィア・ランボルギーニが経営を引き継ぎました。
- Q「サングエ・ディ・ミウラ」とはどういう意味ですか?
- A
イタリア語で「ミウラの血」です。ランボルギーニの名車ミウラの名は、スペインの闘牛牧場の当主エドゥアルド・ミウラに由来します。その名を冠した看板の赤ワインで、フェルッチオ本人も、ラベルに描かれていると伝えられています。
- Qランボルギーニのワインはどんな味ですか?
- A
本記事で紹介している赤は、商品ページ上でライトボディの表記です。サンジョヴェーゼ主体の赤は酸味があり、トマト系の料理やグリル肉に合わせやすいタイプ。泡は辛口で、揚げ物や魚料理とも相性がよいとされています。
- Qプレゼントに向いていますか?
- A
向いています。スパークリングにはギフトボックスやグラスが付いた商品があります。車好きの相手なら、創業者がワインを造っていた話そのものが、会話のきっかけになります。
- Qどこで買えますか?
- A
Amazonや楽天市場などの通販で購入できます。在庫や価格は変動するため、購入前にリンク先で最新の情報をご確認ください。
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