4月30日、うさぎ技研はXに投稿した。
「もうそろそろ介入してもええんやで」——その5時間後、ドル円は160円台から155円台へ叩き落とされた。
それから3か月後の7月30日夜、同じことがもっと大きな規模で起きた。今度はアメリカも一緒に円を買った。
そして8月28日、財務省が公表した金額は15兆3,993億円。月次で過去最大だ。
この記事では、2026年の為替介入を回数・金額・日付で、財務省の公表データに沿って整理する。新しい公表があるたびに更新していく実績まとめだ。
この記事の結論(先に読む)
- 2026年の為替介入は、GWの3回(4/30・5/4・5/6)が日付まで確定。7月30日〜8月26日にも日米協調を含む複数回の介入があり、合計で少なくとも5回とみられる
- 金額はGWが11兆7,349億円、7〜8月が15兆3,993億円(月次で過去最大)
- 2026年の累計は27兆1,342億円。年間過去最大だった2024年(約15兆円)を大きく超えた
- 7〜8月分の日付ごとの内訳は、11月上旬の財務省・日次公表で判明する
1. 2026年の為替介入は何回? 総まとめ
財務省は介入の結果を、月ごとの合計額(月次)と、日付ごとの内訳(四半期ごとの日次)の2段階で公表する。その公表期間に沿って並べると、2026年はこうなる。
出典:財務省「外国為替平衡操作の実施状況」。5月28日以降の0円は2回の月次公表の合計。
「GWは3回なのか4回なのか」という議論が春にはあった。5月1日の値動きも介入ではないかと見られていたからだ。
8月上旬の日次公表で、答えは4月30日・5月4日・5月6日の3回と確定した。5月1日は介入ではなかった。市場の「推定回数」が、公式データで上書きされた形だ。
2. GWの3回——160円台からの急落
財務省は5月29日、4月28日〜5月27日の介入額が合計11兆7,349億円だったと公表した。
当時の月次で過去最大。それまでの最大だった2024年4〜5月の9兆7,885億円を、約2兆円上回った。
- 4月30日:160円70銭台から、一時155円台半ばへ約5円の急落。冒頭のXの投稿から約5時間後
- 5月4日:連休中の薄商いを突いた介入。日本市場が休みの日を選んだ
- 5月6日:157円94銭から一時155円04銭へ、約30分で3円近い円高
ところが効き目は続かなかった。5月28日〜6月26日は介入ゼロ。ドル円はじわじわ戻り、7月には164円目前まで円安が進んだ。
その間の月次公表が「0円」だったことで、「財務省は動かない」と読んだ人も多かった。この「0円」の読み方の落とし穴は、2026年 為替介入の記録と、財務省「0円」の意味で詳しく書いている。
3. 7月30日夜——日米協調介入と過去最大の15兆円

7月30日、中東情勢の再緊迫化を受けて、ドル円は朝方から163円台後半——約40年ぶりの円安水準——で推移していた。
日本時間22時30分過ぎ、相場が急変する。わずか50分ほどで157円台まで、5円近い円高。
今回の特徴は、アメリカも一緒に動いたことだ。財務省は、米国東部時間の7月31日に米財務省と協調して円買い介入を実施したことを公式に明らかにしている。日米協調の円買いは、1998年以来28年ぶりとなる。
ベッセント米財務長官(トランプ政権の財務大臣にあたる人物)は8月2日、Xに「さらなる協調介入への参加をためらわない」と投稿した。
8月28日に公表された7月30日〜8月26日の介入額は15兆3,993億円。GWの11兆7,349億円を3兆6,644億円上回り、月次の過去最大を塗り替えた。
円相場は7月30日・31日と8月3日に急騰しており、この間に複数回の介入があったとみられる。ただし、何日にいくら撃ったのかは、まだ公表されていない。

過去最大の金額が発表されたまさにその日に、ドル円は介入前の水準へ戻った。GWの介入は約3か月の時間を買ったが、7〜8月は4週間しか買えなかった。
なぜ過去最大の一撃が、過去最短で押し返されたのか。その分析は「15兆3,993億円でも4週間で160円台に逆戻り」にまとめている。
4. 過去の為替介入と比べると——2026年は桁が違う
2026年は8か月足らずで、2024年の年間合計のほぼ倍に達した。
もうひとつの変化は、介入が入る水準だ。2024年は「160円」が防衛ラインだったのに対し、2026年はGWが160円70銭台、7月末は163円台後半。財務省が我慢する水準は、年を追って上にずれている。
介入の頻度だけでなく、1回あたりの規模も膨らんでいる。当局が投機筋に対して、それだけの実弾を用意しているということでもある。一方で、弾は無限ではない。
5. 次の為替介入はいつ?
9月18日時点のドル円は156〜157円台。日銀は1.25%へ利上げしたが、前日にFRBも利上げしたため金利差は縮まらず、円安の流れは続いている。
次の介入がいつ、何円で来るのか。財務省が動く条件、162〜164円の発動ライン、残りの弾薬までを整理した予測記事はこちら。
よくある質問(FAQ)
- Q2026年の為替介入は何回ありましたか?
- A
GW中の3回(4月30日・5月4日・5月6日)は財務省の日次公表で確定しています。これに7月30日〜8月26日の複数回(日米協調介入を含む)が加わり、少なくとも5回とみられます。7〜8月分の日付ごとの内訳は、11月上旬の日次公表で判明します。
- Q2026年の為替介入の金額はいくらですか?
- A
4月28日〜5月27日が11兆7,349億円、7月30日〜8月26日が15兆3,993億円で、合計27兆1,342億円です。7〜8月分は月次ベースで過去最大、年間でも2024年の約15兆円を大きく上回る過去最大となっています。
- Q7月30日の急落は為替介入だったのですか?
- A
財務省は、米国東部時間の7月31日に米財務省と協調して円買い介入を実施したことを明らかにしています。7月30日〜8月26日の介入額は15兆3,993億円と公表されましたが、どの日にいくら使ったかは11月上旬の日次公表まで確定しません。
- Q為替介入の実績はどこで確認できますか?
- A
財務省のウェブサイトにある「外国為替平衡操作の実施状況」で確認できます。毎月末ごろに期間中の合計額が、四半期ごとに日付別の内訳が公表されます。月次の集計期間は暦の月とずれるため、「0円」の月でも直後に介入が行われていることがあります。
- Q過去の為替介入と比べて、2026年の規模はどのくらいですか?
- A
2022年は約9.2兆円、2024年は約15.3兆円でした。2026年は9月18日時点で27兆1,342億円と、2024年のほぼ倍です。単月でも7〜8月の15兆3,993億円が過去最大となっています。
- 日産追浜工場の跡地はどうなる?カルマンギアを作ったVWの工場が、先にアイアンドームを作り始めた

- ハワード・バフェットとは何者か|会長退任の本当の理由とビル・ゲイツとの決別、日本の商社株の行方

- 利上げしたのに円安。日銀1.25%・反対2票・植田会見から読む為替・金・株と住宅ローン、そして沖縄の軍用地【2026年9月】

- 【続報】旧沖縄三越跡地は「ハイグレード」になれるか|13階建て・2030年末完成と、誰も書かない“地下と道”の話

- 為替介入15兆3,993億円は過去最大、それでも”4週間”で160円台に逆戻り|9月の日米中銀ウィークと『次』を読む

まとめ:金額は倍、効き目は3分の1
2026年の為替介入は、GWの3回に7〜8月の日米協調介入が加わり、少なくとも5回。確定額は27兆1,342億円と、月次でも年間でも過去最大を更新した。
それでも円安は止まっていない。金額は2024年の倍に膨らんだ一方で、買えた時間は3か月から4週間へ縮んだ。
次の答え合わせは、9月末の月次公表と、11月上旬の日次公表だ。7月30日と31日にそれぞれいくら撃ったのかが分かった時点で、この記事も更新する。
※本記事の回数・金額は、財務省の公表データをもとにしています。日付が未公表の期間は、報道と値動きに基づく推定を含みます。
コメント