今回は、ついにその姿を現したフェラーリの話題の新型モデル「296スペチアーレ(SP)」について。
イタリア・マラネロにあるフェラーリ本社の「チェントロ・スティーレ」で行われた発表会にて、噂されていたスペシャルモデル「296スペチアーレ」がついにベールを脱ぎました。
結論から言うと、想像以上。
予想を大きく超える“美と性能の融合”に衝撃を受けました。
最後に購入条件と価格、スパイダーモデルのFerrari 296 Speciale Aも必見!!!
美しさと空力性能を両立したデザイン
296GTBのエレガンスを受け継ぎながらも、296スペチアーレでは、さらにアグレッシブな空力性能が融合されています。
注目すべきはフロント部分。
従来の296GTBでは一体型のフロントバンパーでしたが、スペチアーレでは縦に分割されたスポイラー構造を採用。
これにより視覚的な迫力が大幅に向上しつつも、美しさは損なわれていません。
また、フロント周りには空力パーツが巧みに配置されています。
たとえば大型化された開口部からはブレーキ冷却用のエアが取り込まれ、さらにボンネット上部のスクープではタイヤハウス内の圧を逃がすための空気の流れが設計されています。
こうしたディテールの積み重ねが、この車の美しさと性能の“共存”を可能にしているのです。
革新的な「エアロダンパー」搭載
296スペチアーレ最大の注目ポイントのひとつが、「エアロダンパー」と呼ばれる空力制御システムです。
これはフロア下に空気を取り込み、車体下を流した後、ボンネット上から空気を排出することで、フロントの姿勢を制御。
296チャレンジから技術を応用したこのシステムにより、ダウンフォースではなく“安定したドライビングフィール”が生まれるという、フェラーリらしい発想が感じられます。

しかも、このような高度な空力装置を搭載しながらも、スタイリングはあくまでエレガント。
技術を内に秘めた美しさこそが、この車の大きな魅力です。
サイド&リアデザインの進化
サイドビューでは、ルーフカラーをボディと切り替えることで、飛行機のキャノピーのような「フライングブリッジ」の構造を強調。
サイドインテークやカーボンスポイラーも自然に溶け込み、全体の流れを美しく保っています。
そして、注目すべきは「サイドウィング」。
一般的なレーシングカーで見られるような、車体から飛び出したディフューザー的な処理ではなく、あくまでボディラインと一体化させたデザイン。
ここにフェラーリのデザイナーたちの“美に対するこだわり”が見て取れます。

リアにはアクティブスポイラーが搭載され、GTBよりも作動速度やモード選択が進化。
さらに新設計のカーボン製ディフューザーが加わり、視覚的な迫力とリアダウンフォースの両立を実現しています。
実用性も忘れない驚きのラゲッジスペース
296スペチアーレは、単なるサーキット仕様車ではありません。意外にも、ボンネット下には広めのラゲッジスペースが確保されており、ヘルメットやレーシングスーツはもちろん、週末旅行にも十分な収納力を持っています。
これは「スポーツカーを日常でも楽しめるように」というフェラーリの新しい哲学を象徴しています。
インテリアは軽量&上質の両立
車内に目を向けると、カーボン素材を多用したドアパネルやフロア、センターコンソールが目に入ります。フロアにはカーペットすらなく、剥き出しでレーシーな印象。とはいえ、ダッシュボードには上質なアルカンターラが使用され、レーシングカーにありがちな“武骨さ”はありません。

特筆すべきは、クローム仕上げのシフトスイッチ。これは往年のフェラーリ・マニュアルモデルのデザインをオマージュしたもので、伝統と革新が見事に融合しています。
Meet the newest member of our family: the Ferrari 296 Speciale – setting a new standard for driving thrills.#Ferrari296Speciale #Ferrari pic.twitter.com/pvVUP4ObI7
— Ferrari (@Ferrari) April 29, 2025
パワーアップしたエンジンと設計思想
エンジン構成は基本的に296GTBと同様の3.0L V6ハイブリッドですが、50馬力アップされ、総出力は880馬力に到達。
レーシング技術のフィードバックを受けて、さらに軽量化も図られています。
エンジンヘッドには鮮やかな“フェラーリレッド”の結晶塗装が施され、エンジンルームを覗き込んだ瞬間、その美しさに誰もが息をのむはず。
そしてこのモデルの開発コンセプトを象徴するのが、フェラーリのチーフデザイナー、フラビオ・マンゾーニ氏が語ったキーワード「ノーブル・ダイナスティ」。
ノーブル(高貴)な力に支配されたデザイン
―力強さの中に気品を宿す、まさに“王朝”の名にふさわしい一台
この言葉こそ、296スペチアーレの全てを語っていると言えるでしょう。
まとめ:美と力を兼ね備えた“真のフェラーリ”
フェラーリ296スペチアーレは、ただのパワーアップ版ではありません。
GTBの美しさを最大限に活かしながら、サーキット走行にも耐えうる高性能空力装置を融合させた、まさに“ノーブル・ダイナスティ”の具現化。
単なるハードウェアの進化ではなく、「フェラーリとしてどうあるべきか」を問い直し、細部に至るまでデザインと機能の両立を追求した一台です。
サーキットに向かうもよし、週末のリゾート地へ走り出すもよし。美しき猛獣は、私たちに“走る喜び”の本質を再び思い出させてくれます。

🔧主要スペック(参考)
- エンジン:3.0L V6 PHEV
- 総出力:880馬力
- 駆動方式:RWD
- ボディ構造:カーボンエアロ+軽量アルミフレーム
- ラゲッジ容量:旅行も可能な実用性あり
項 目 | 内 容 |
---|---|
駆動方式 | ミドシップ縦置きエンジン 後輪駆動(RWD) |
全長×全幅×全高 | 4625 × 1968 × 1181 mm |
ホイールベース | 2600 mm |
乾燥重量 | 1410 kg |
エンジン形式 | V型6気筒(バンク角120°)DOHCツインターボ |
排気量 | 2992 cc |
ボア×ストローク | 88 × 82 mm |
最高出力(内燃エンジン) | 700 ps / 8000 rpm |
最大トルク | 755 Nm / 6000 rpm |
最高出力(ハイブリッド含む) | 880 ps |
トランスミッション | デュアルクラッチ式8段自動MT |
0-100km/h加速 | 2.8 秒 |
最高速度 | 330 km/h |
価格(欧州) | 47万ユーロ ※日本円換算:¥76,225,037(2025年4月時点) |
スパイダーモデルも同時公開!
最近のフェラーリのトレンドか?!
Ferrari 296 Speciale 「A」#1も同時発表!
「296 Speciale A」は、296 Specialeのスパイダー仕様。
“Aperta”の名が示す通り、開放感とハイパフォーマンスを兼ね備えた
フェラーリの最新スパイダーです。
#1
この「A」は「Aperta(アペルタ)」=イタリア語で「開かれた」という意味で、フェラーリではスパイダーモデル(オープントップ仕様)に使われる伝統的な呼称です。
たとえば「LaFerrari Aperta」なども同様の命名です。
価格は€462,000 日本円で¥74,927,590 4/30時点
ちなみに両車とも限定生産ではないが、購入条件として、
過去にフェラーリの新車を買った事のある方で、ウェイティングリスト上位の方からご案内らしいです。
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