2026年、F1は11番目の新たなチームが加わり新たなフェーズを迎えようとしています。
ヨーロッパのトラディショナルスポーツのイメージが強いF1に、アメリカの名門ブランド・キャデラックが新規参戦を果たすその背後には、金融界とスポーツ界を結ぶ“実業家”が控えていました。
その名は マーク・ウォルター (Mark Walter)。
彼の名はこれまで主にMLBのロサンゼルス・ドジャースや(最近では)NBAレイカーズのオーナーとして知られてきましたが、キャデラックF1参戦の仕掛け人(オーナー)として、モータースポーツファンからも注目を集め始めています。
本記事では、F1ファン視点を念頭に、マーク・ウォルター氏のプロフィール、資産、キャリア、スポーツ界での関与、そして日本人ファンが気になる「大谷翔平との関係」などを整理して紹介します。
本記事では以下をわかりやすくまとめます。
- 基本プロフィールとキャリアの歩み
- 資産規模・評価:どれほどの富豪か
- スポーツ界での支配力:ドジャース、レイカーズ、WNBA、PWHLなど
- キャデラックF1参戦:背景と戦略
- 日本との接点と“大谷翔平との関わり”
- F1ファン視点からの期待と課題
- まとめと今後の注目ポイント
1. 基本プロフィールとキャリアの歩み
項 目 | 内 容 |
---|---|
名 前 | Mark Richard Walter |
生年月日 | 1960年1月1日 (ウィキペディア) |
出身地 | アメリカ・アイオワ州シーダーラピッズ(Cedar Rapids) (ウィキペディア) |
学 歴 | 学士号:Creighton University(会計/経営系) (ウィキペディア) 法務博士(JD):Northwestern University(法学) (ウィキペディア) |
主な所属/肩書き | – Guggenheim Partners:CEO、Co-Chairman (ウィキペディア) – TWG Global:CEO/Co-Chair(持株持ち分会社) (ウィキペディア) – TWG Motorsports:モータースポーツ部門の親体(共同設立) (ウィキペディア) |

ウィキメディア・コモンズ経由で
キャリアの歩み(要所抜粋)
- 1996年頃、投資運用系ビジネス「Liberty Hampshire」を共同設立 (SI)
- 2000年以降、Guggenheim Partnersの発展に関与。
Guggenheim は保険、年金、資産運用などを手がける金融サービス会社となる (SI) - TWG Globalを通じて、スポーツ、メディア、モータースポーツなどを含む多角的な事業展開を進めてきた (SI)
このように、もともとは金融/投資業界を主軸に歩みを進めつつ、近年ではスポーツやモータースポーツへの投資を積極化させています。

2. 資産規模・評価:どれほどの富豪か
資産評価は情報源によってばらつきがありますが、下記のような数字がよく引用されています:
- Forbes:2025年時点でおよそ 73億ドル(約1.1兆円前後) と評価されることが多い。
- Bloomberg / 他分析:一部では 120〜125億ドル(より楽観的評価)ともされる見方あり (SI)
- また、あるウェブ情報では「130億ドル」規模との記載もありますが、信頼性は注意が必要です (Celebrity Net Worth)
いずれにせよ、彼は「アメリカのビリオネア(億万長者)」に分類される人物であり、スポーツ界での大型買収や持株投資を行える資金基盤を備えています。
ただし、「資産 = 流動性ある現金・株式すべてを簡単に換金できる価値」とは限らず、不動産、株式持分、未上場企業投資、借入なども含めて推定されるものなので、実際の手元流動性とは乖離がある可能性があります。
最新のフォーブス(25’10/6)によると、彼の純資産は、
💲7.3B (73億ドル)= ¥1,097,401,700,000
1兆974億円以上。。。
純資産ですよ・・
ちなみに、フォーブスによるとマークさん581位。
(ドナルド・トランプ大統領(700位)より上です!)
F1界でお馴染みローレンス・ストロール氏は35億ドルで948位。
1位はもちろんイーロン・マスクで3,420億ドル(およそ51兆4千億円)
もう桁がわかりません・・・・

3. スポーツ界での支配力:ドジャース、レイカーズ、WNBA、PWHLなど
マーク・ウォルター氏は「スポーツオーナー」として非常に広範囲にわたる関与を持っています。
その規模と質を整理します。
ドジャース(MLB)
- 2012年、Guggenheim Baseball Management コンソーシアムがドジャースを約21.5億ドルで買収 (ウィキペディア)
- 同買収の際、ウォルター個人は約1億ドルを出資したと報じられており、その買収後も持株比率を27%保有しているとされる (ウィキペディア)
- ただし「実質経営権」はコンソーシアム体制で共有されており、完全所有ではない形式 (ウィキペディア)
- ドジャース財団などを通じた地域貢献活動も精力的に行っており、ロサンゼルス周辺の教育・健康支援プロジェクトに対する寄付も目立つ (ウィキペディア)
レイカーズ(NBA)
- 2025年6月、バス家(Buss ファミリー)はレイカーズの過半数株をウォルターに売却する合意に至ったと報じられています。評価額は約 100 億ドル(10ビリオンドル)との見方も。(ESPN.com)
- この売却は、プロスポーツ史上でも最大級規模のものとされ、話題を呼んでいます (Reuters)
- 売却後も、バス家(Jeanie Buss)は「ガバナー(運営責任者)」の地位を維持し、一定の発言権を残すとの条件付きと伝えられています (ESPN.com)
- 2021年には既にフィリップ・アンシュッツ (Philip Anschutz) からレイカーズ株の一部(約26%)を購入しており、将来的な多数株取得の“優先権”を持つ構造もあったとされます (Lakers Nation)
その他スポーツ投資/関与
- WNBA ロサンゼルス・スパークス:ウォルターはマジック・ジョンソンらとともにスパークス買収を手掛け、チームに関与してきた実績あり (ウィキペディア)
- PWHL(女子プロアイスホッケーリーグ):ウォルターは創設支援者のひとりであり、女子スポーツの発展に資金を注ぐ姿勢も見られます (ウィキペディア)
- サッカー(サッカー クラブ):ウォルターは、Chelsea FC(イングランド)やフランスのクラブ RCストラスブール などにも関心を持つとの報道あり (Silver Screen and Roll)
- モータースポーツ(F1 を含む):後節で詳述しますが、TWG Motorsports を通じ、キャデラック F1 を始めとするレーシング事業を担います (ウィキペディア)
これだけ多岐にわたるスポーツ資産を持つ存在は、米国でも稀有なクラスと言えるでしょう。
4. キャデラック F1 参戦:背景と戦略
F1ファンとして最も興味あるテーマがここです。
ウォルター氏は、F1新興勢力 “キャデラック” の背後にある主要な旗振り役の一人です。
背景:キャデラック F1 の参入経緯
- 2026年から、F1 における 11番目のチームとして キャデラック (Cadillac) が参戦を予定しています。これは、FIA および F1 マネジメント側から承認を受けた拡張枠チームとして進められています。(AP News)
- このプロジェクトは、General Motors(キャデラック親会社)と TWG Motorsports(TWG Global 傘下)との提携によって進行しており、ウォルター氏は TWG 側のキー人物です。(フォーブス)
- 当初、Andretti ブランドとの連携案も存在しましたが、最終的には TWG Global が Andretti Global を内包する形で買収/統合し、Andretti は顧問的立場に留まる構図になったと言われています。(Sports Business Journal)
- TWG Motorsports は 2024年末に設立されており、F1用の子会社(TWG Cadillac Formula 1 Team Ltd.)や他カテゴリー(IndyCar, NASCAR, スポーツカー)も含むレーシング体制を整えています。(ウィキペディア)
- チーム・プリンシパルには Graeme Lowdon が就任し、技術系には元アストンマーティン/ルノー出身の技術者陣が参加しているという公表もあります。(ウィキペディア)
ウォルター氏が狙う意図・戦略
F1参入を通じてウォルター/TWG側が目指す方向性を整理すると、次のような要素が考えられます。
- ブランド拡張:アメリカ × 高級車ブランド × モータースポーツ融合
キャデラックという米国ブランドを F1 に持ち込むことで、米国市場やブランド訴求力を高めたい意図がうかがえます。 - ポートフォリオの分散とシナジー創出
スポーツ投資だけでなく、モータースポーツを通じたテクノロジー、マーケティング、メディア露出の相乗効果を狙う構図があります。 - 新規参入の優位性
F1の参入障壁は非常に高いため、最初から大きな資源を投入可能な存在が有利になる可能性があります。 - 持続的収益モデル化
将来的にはスポンサー、メディア権、技術供与契約などを通じて収益を確保するビジネスモデルが想定されます。
課題とリスク(F1ファン視点の注意点)
- 参入時点では技術・ノウハウの蓄積が遅れやすく、競争力を得るには時間がかかる。
- 他既存チームとのリソース競争(人材、設備、予算)で不利になる可能性。
- ブランド価値やファン基盤の構築が不可欠であり、単なる「資金投入」では支持は得られない。
- 初期の成績悪化が資金的・世論的なプレッシャーを生む可能性。
とはいえ、参入決定から発表までの流れはかなりスピード感を帯びており、F1界隈でも「注目の新勢力」として期待が高まっています。(AP News)
5. 日本との接点と “大谷翔平との関わり”

via Wikimedia Commons
日本との接点・関心領域
- メディア露出:ウォルター氏が所有するドジャースは、日本人選手(たとえば大谷翔平)の在籍によって日本で非常に高い注目を集めます。
- マーケット戦略:将来的には F1 に参戦することで、日本市場(自動車、モータースポーツファン層)にも露出を持とうとする意図が十分考えられます。
- スポンサーや技術提携:日本の自動車メーカー、部品メーカー、モータースポーツ関連企業との提携・協業可能性は高い分野です。
「大谷翔平との関係性」について
現時点で、公的資料・報道で「マーク・ウォルターと大谷翔平」が直接的なビジネス提携を結んでいる、またはパートナー関係にある、という情報は確認できません。
ただし、次のような関係可能性のシナリオや視点は考えられます:
- ドジャース所有者としての間接的関与:もし大谷翔平選手が将来ドジャースでプレーする(あるいは既にプレーしている)状況であれば、オーナーと選手という間接的な関係が生まれます。
- マーケティング面での接点:ウォルター氏がスポーツ投資を通じて日本市場を重視するなら、大谷選手をスポンサー契約や広告起用の対象とする可能性もあります。
- 相互紹介・ステークホルダー関係:スポーツ界、財界をまたぐ関係者ネットワークを通じて、共通の知人・協業先が存在する可能性も否定できません。
ドジャースは“オオタニ資金”を貯めていた…日本ハムとエンゼルスに獲られても、揺らがなかった「オオタニ愛」12年物語 https://t.co/a1V9YnN9R1 #MLB
— 🐰うさぎ技研🐰 (@usagigiken_blog) October 6, 2025
ただ、大谷翔平選手は個人的にもマーク・ウォルター氏のドジャースへの姿勢や熱意に感銘を受けているようです。詳しくは下記のNumbersWebさんの記事を参照してください。
「心に残っている言葉として、オーナーのマーク・ウォルターさんも含めて、ドジャースが経験してきたこの10年間を彼らはまったく成功ではない、ということはおっしゃられていたので、それだけ勝ちたいという意思がみんな強いんだなというのは、心に残ったかなと思います」
NumbersWebさんより引用 https://number.bunshun.jp/articles/-/860013?page=3
6. F1ファン視点からの期待と課題
最後に、F1ファン、あるいはモータースポーツを愛する読者視点から、ウォルター氏/キャデラック参入をどう捉えるかを整理しておきましょう。
チェコのカムバックはF1ファンにとって(個人的にも)嬉しい。
メキシコのスポンサーもマーク率いるキャデラックは願ってもない投資先では?
期待できる点
- アメリカでの盛り上げ:F1に参戦するアメリカ拠点のブランドが増えることで、北米市場のモータースポーツ熱拡大が期待されます。
- 資金と継続性:ウォルター/TWGのような潤沢な資金を持つオーナーの参入は、参戦継続性・投資安定性の観点で追い風となる可能性。
- 新技術投入とイノベーション:他競技・他産業との接点を持つ事業者として、F1への技術導入や異分野シナジーが生まれるかもしれません。
- 競争促進:新規参入が“既存勢力との差”を縮めようとする競争圧となり、全体のレベル向上につながる可能性。
注意すべき課題
- 短期成果プレッシャー:大きな投資をしての参入だけに、すぐに結果を求められるプレッシャーが強い。
- ブランディング戦略:ファンから支持を得るためには、単なる“資本力参戦”ではなくブランドと理念、ストーリー性が不可欠。
- 人材・技術力の確保:エンジニア、空力設計者、データ解析者らトップ人材をどう引き抜くかが鍵。
- 他チームからの反発や圧力:参入条件、技術ルール、予算上限などの調整において摩擦が出る可能性。
F1界隈では、新規参入というドラマ性が人気を呼ぶこともあります。
ウォルター氏のような資金力とスポーツ経験を併せ持つ人物ならば「ただの金持ちオーナー」では終わらず、モータースポーツ文化にも影響を与える存在になるかもしれません。
F1ファンにわかりやすく、アストンマーチンのオーナーであるローレンス・ストロール氏と比較してみました。
人物 | 推定総資産 | 主な収入源 | スポーツ所有 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
マーク・ウォルター | 約73億ドル (約1.1兆円) | 投資会社 Guggenheim Partners | ・ロサンゼルス・ドジャース(MLB) ・ロサンゼルス・レイカーズ(NBA) ・TWG Motorsports(F1キャデラック参戦) | 金融界出身、幅広いスポーツ投資 |
ローレンス・ストロール | 約32億ドル (約4,800億円 ※2024年) | 投資・ファッションブランド(Michael Korsなど) | ・アストンマーティンF1チームオーナー ・カナダGP主催権益 ・その他スポーツ投資 | ブランドビジネス出身、息子ランスをF1に参戦させた |
ストロールパパが最強個人だと思っていましたが、、、
さらに上をいくビリオネアが新しいF1チームのオーナーです。
F1と中東マネーとマーク・ウォルター
F1の今は中東マネー抜きでは語れません。
ウォルターはそこにどう関わるかを分析してみました。
- F1と中東資金の関係
近年のF1は中東マネーと切っても切れない関係にあります。- サウジアラビア(AramcoはF1公式パートナー)
- カタール(ドーハGP、オフィシャルスポンサー)
- アブダビ(長年の最終戦開催)
- バーレーン(サーキット所有が王族系)
といった形で、ほぼ全ての主要中東国がF1に投資しています。
- マーク・ウォルターの経歴
彼は金融業界の人間であり、グッゲンハイム・パートナーズを通じて機関投資家や超富裕層の資金を運用してきた人物。
→ 資金調達力・ネットワーク力は抜群。
中東マネー流入の可能性
- キャデラック参戦の性質
- GM(キャデラック)と組む形なので、アメリカ的な企業色が強い。
- しかしF1は莫大な運営費(年間数百億円)がかかるため、スポンサーシップや外部資金は不可欠。
- 中東と親和性が高い理由
- 中東は「高級車・モータースポーツ文化」に積極投資している。
- GMは中東市場でも存在感を持つ(特にSUVブランドで)。
- よってキャデラックF1 × 中東スポンサーは十分にあり得る。
- ウォルター氏のスタンス
- 彼自身は投資家であり、思想よりも合理的な資金調達を優先するタイプ。
- そのため、中東系ファンドや企業と組むことに抵抗はないと考えられる。
まとめ
- 可能性は高い:F1における中東資金は既にメインストリームであり、ウォルター氏が資金調達の一環として手を組むのは自然な流れ。
- アメリカ資本×中東マネーの組み合わせ:キャデラックの米国ブランド力と、中東の資金力がタッグを組めば、短期間で強力なF1チーム基盤を築ける。
- 懸念点:アメリカブランドの独自性をどこまで守るか、政治的リスクをどう管理するか。
👉これで、マーク・ウォルター氏が「中東マネー」でも手に入れたらキャデラック最強になるかも?!
7. まとめと今後の注目ポイント
マーク・ウォルター氏は、本質的には金融・投資界から出てきた実業家ですが、スポーツ界への展開・影響力も非常に強い人物です。
ドジャースでの成功、レイカーズ買収、さらにはキャデラック F1 参入と、彼の持つ“資金力”と“戦略的視点”の融合が、次の時代のスポーツ・モータースポーツ界における大きなピースになる可能性を秘めています。
特に、F1ファンとして注目すべきポイントは以下:
- キャデラック F1 チームが 2026 年にどこまで戦える存在になるか
- 技術投入、人材獲得、スポンサー陣容などの具体的布陣
- レーシング以外メディア、ブランド、ファン戦略における“物語づくり”
- 米国モータースポーツ/F1人気との相関関係
- 日本企業やファンとのつながり(技術協業、スポンサー契約など)
個人的に、来季からのF1はレッドブル、フェラーリ、メルセデス、ハース、そしてホンダとのパートナーであるアストンマーティンを応援したかったのですが、キャデラックも応援したくなりました。
(角田裕樹がレッドブル離れたら、カエル化現象待ったなしですが)
なんせ、チェコとボッタスは優勝経験多数の大ベテラン。
マシンの開発さえ上手くいけば、ニューカマーとはいえ、既存チームにとって半端ない脅威だと思います。
マークさん、ちなみに、若く、世界の人気者で、開発力もある将来有望な日本人F1ドライバーがいるんですけど、彼を獲得できればアメリカ大陸も日本市場も掴めますがいかがでしょうか?
MLB(野球)・NBA(バスケ)・F1(モータースポーツ)のトップカテゴリーを所有するオーナーって半端ないです。。。😱
しかもそれぞれがトップチーム。
シナジーが上手くいけばスポーツ界も大きく変わっていきそうですね。
(あとは噂通り、チェルシー買ったら完璧なんですけどね・・・)
マーク・ウォルター氏の詳細な情報や最新のニュースについては、以下のリンクをご参照ください。
- Mark Walter – Bloomberg Billionaires Index
- Mark Walter – Wikipedia
- Mark Walter – Forbes
- Mark Walter – Reuters
- Mark Walter – Financial Times
余談ですが、ルクレールがCMしているシーバスリーガルが欲しいんだけど、日本じゃ売っていないのかな?
Amazonにも楽天にもクリスタルゴールドって売ってないよね??
まもなく発売だそうです(10/6時点)
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