日本の財政議論は、なぜ常に平行線を辿るのでしょうか。
「消費税増税はやむを得ない」とする主張と、「減税こそが停滞を打破する」という叫び。
その間に横たわる違和感の正体は、国家運営を単年度の収支(P/L)のみで捉え、全体像(B/S)を俯瞰しないという、知的怠慢に起因しています。
最新の財務省報告や国際比較データを参照しても、日本が直面しているのは単純な「資金不足」ではなく、制度設計の硬直化と説明責任の欠如という戦略的課題です。
リーダー層として知っておくべき、財政の裏側にある「本当のロジック」を解き明かします。
投票先の参考に。
この記事を読むことで得られる3つのベネフィット
- 財政の本質理解: 単なる増税・減税論を超えた、B/S(貸借対照表)視点での国家財政の把握。
- リスクマネジメント: 社会保険料やインボイス制度が、実体経済(特に飲食・サービス業)に与える真の影響の特定。
- 知的武装: 感情論に流されない、エグゼクティブにふさわしい「財政リテラシー」の獲得。
- 後半は中学生でもわかるよう、ざっくりとした例えにしました。
- 1. 限界点としての「消費税15%」というロジック
- 2. 社会保険料――「静かなる収奪」という自己管理の罠
- 3. インボイス制度と「地域資産」の喪失
- 4. 国家のB/S(貸借対照表)が示す「停滞の真価」
- 5. 減税を「ポピュリズム」と断じる不誠実
- 結論:パフォーマンスこそが最大のエチケット
- 📊 日本が保有するドル資産・米国債のデータ ソース一覧
- 🧾 説明・補足
- 🔎 参考:外貨準備統計(原データページ)
- 🇯🇵 日本のB/SとP/Lを「資産家の家庭」で読み解く
- 結論:知的エグゼクティブに求められる「財政の審美眼」
- 1. 含み益の源泉:ドル買い介入の「果実」
- 2. 利益はどこへ消えるのか?「一般会計」への還流スキーム
- 3. なぜ「全額」を使えないのか:戦略的ジレンマ
- 4. エグゼクティブの視点:資産の「死蔵」か「投資」か
- 結論:含み益は「国家のバッファ」である
- 🇯🇵 日本のBSとPLを「おこづかい+貯金箱」で説明する
- ③ 日本政府に置き換えると
- ④ ここが一番の勘違いポイント
- ⑤ なぜ大人(政府)はPLの話しかしないのか
1. 限界点としての「消費税15%」というロジック
現在、日本の消費税率が社会的・経済的に耐えうる上限は15%前後であると言えるでしょう。
(某与党が12%を検討しているという情報も流れてきましたが、真相はわかりませんので過剰反応は控えましょう)
欧州諸国の20%超という数字を安易に引き合いに出すのは、極めて思慮に欠ける議論です。
- 実質賃金の長期停滞: 可処分所得が伸びない中での増税は、経済のエンジンである個人消費を直接的に破壊します。
- 社会保障の質の乖離: 負担に見合うベネフィットが実感できない制度下では、増税は単なる「資産の収奪」と映ります。
安易な税率引き上げは、税収の最大化を狙うどころか、経済全体の縮小を招くというリスクを直視すべきなのです。
消費税の議論に目を奪われ、この身体的コストの増大を見過ごすことは、戦略的ミスと言わざるを得ません。
ちなみに消費税をなくすと福祉の財源が・・・と言われますが、消費税は目的税ではありません。
消費税が存在しなかった時代の方が今より年金も福祉も手厚かったのは気のせいでしょうか?
2. 社会保険料――「静かなる収奪」という自己管理の罠
消費税以上に、エグゼクティブが注視すべきは「社会保険料」という名の隠れ増税です。
これは、企業の成長と個人の活力を削ぐ最大のブレーキとなっています。
- 強制的な資産移転: 賃金が上がらずとも自動的に引き上げられる構造は、まさに逃げ道のないコスト。
- 雇用の硬直化: 労使折半という仕組みが、企業の採用意欲と賃上げの余力を根底から奪っています。
消費税の議論に目を奪われ、この身体的コストの増大を見過ごすことは、戦略的ミスと言わざるを得ません。
雇用主も正社員も誰も得しない制度に感じます。ステルス的に少しづつ料率を上げられているのはご存知でしょうか?
企業はこの負担が嫌で派遣社員を雇うわけです。(消費税対策にもなるので・・)
3. インボイス制度と「地域資産」の喪失
「公平性」という美名のもとに導入されたインボイス制度は、日本の文化的な厚みを支えてきた小規模飲食店を窮地に追い込んでいます。
飲食店が真に苦しんでいるのは、税率の差ではなく、「価格転嫁が不可能な構造」と「事務的リソースの枯渇」です。
地域の社交場である個人店が消えゆくことは、単なる経済的損失ではなく、その街の知的・文化的資産の毀損なのです。
議員の報酬は明細無しやザルなものが多々あるのに、なぜ個人にまで経理業務の負担をかけるのか謎です。
租税逃れは論外ですがもう少し経済が活性化するような制度の構築はできないものでしょうか?
中間申告や予定納税など、先も見通せない中小企業にとっては資金繰り殺しにしか思えませんが、、
4. 国家のB/S(貸借対照表)が示す「停滞の真価」
日本の財政は、決して「破綻寸前の家計」ではありません。
政府の貸借対照表(B/S)を紐解けば、その特異な構造が見えてきます。
- 資産(約1,000兆円)と負債(約1,500兆円): 膨大な負債の一方で、世界最大級の資産を保有しています。
- 特別会計という聖域: 外為特会をはじめとする巨大な資産は、目的別に縛られ、流動性を欠いています。
問題の本質は「金がない」ことではなく、**「ストックはあるが、フローを最適化できていない」**点にあります。
政府がこのB/Sを積極的に開示・説明しないのは、都合の悪い真実――すなわち、抜本的な構造改革を迫られることへの回避に他なりません。
【資産の部】
【負債の部】
| 区 分 | |
|---|---|
| 外貨準備(総額) | 約205兆円 |
| └ うちドル建て有価証券 (主に米国債) | (約151兆円) |
| 金(ゴールド・時価評価) | 約18兆円 |
| IMFリザーブポジション・SDR | 約11兆円 |
| 財政投融資資産 (貸付金・出資金) | 約420兆円 |
| 政府保有株式・出資金 | 約70兆円 |
| その他資産 (現金・未収金等) | 約50兆円 |
| 資産合計 | 約770兆円 |
| 区 分 | |
|---|---|
| 国債(普通国債) | 約1,190兆円 |
| 財投債 | 約92兆円 |
| 国庫短期証券 | 約100兆円 |
| 借入金・その他 | 約20兆円 |
| 負債合計 | 約1,400兆円 |
【純資産の部】
| 区 分 | |
|---|---|
| 純資産(資産 − 負債) | ▲ 約630兆円 |
🇯🇵 日本のドル資産・米国債ポジション(整理版)
① 日本の外貨準備(対外準備資産・政府管理分)
外貨準備 総額
- 1,369,775,000,000ドル
(205,466,250,000,000円/約205.5兆円)
うちドル建て有価証券(主に米国債など)
- 1,003,757,000,000ドル
(150,563,550,000,000円/約150.6兆円)
※これは主に財務省が管理する「為替介入・通貨防衛用資産」
② 日本の米国債保有額(政府+日銀+民間含む)
米国債保有額(日本全体)
- 1,202,600,000,000ドル
(180,390,000,000,000円/約180.4兆円)
※世界最大の米国債保有国
※外貨準備に含まれる分+日銀・生保・年金・金融機関の保有分を含む
📊 一覧で見るとこうなります
| 項目 | ||
|---|---|---|
| 外貨準備 総額 | 1,369,775,000,000ドル | 約205.5兆円 |
| うちドル建て有価証券 | 1,003,757,000,000ドル | 約150.6兆円 |
| 米国債保有額(日本全体) | 1,202,600,000,000ドル | 約180.4兆円 |
💡 ここが重要ポイント
- 日本は
「借金大国」でもあり、同時に「世界最大級のドル資産・米国債保有国」という B/S(貸借対照表)的には超巨大な資産国。 - ただし
- 外貨準備は「為替・国際金融安定用」
- 米国債は「安全資産・運用・同盟関係の一部」という性格があり、単純に歳出や減税に回せない仕組みになっています。
5. 減税を「ポピュリズム」と断じる不誠実
減税議論がしばしばポピュリズムとして切り捨てられるのは、それが政治にとっての「裁量の放棄」を意味するからです。
- 国民への直接還元: 補助金のような「配る政治」は権力を維持しますが、減税は国民に選択権を戻します。
- 戦略的撤退の欠如: 一度作った制度や税率を維持しようとする硬直性が、日本のパフォーマンスの最適化を阻んでいるのです。
結論:パフォーマンスこそが最大のエチケット
日本の財政問題の本質は、税率の多寡ではなく、その使い道と説明における「美学の欠如」にあります。
資産を眠らせ、フローの不足を国民の負担増で補う。
この構造を是認することは、知的エグゼクティブとしての審美眼に反する行為ではないでしょうか。
私たちは、単なる「納税者」ではなく、国家という巨大な組織の「ステークホルダー」として、常にB/Sに基づいた合理的な議論を求めていくべきなのです。
パフォーマンスを最大化するために、自らの知を研ぎ澄まし、真実を見抜く。
それこそが、複雑な時代を生きるリーダーに求められる最低限のエチケットと言えるでしょう。
次の一歩として、まずは政府が公開している「国の財務書類」を一読し、資産と負債のバランスを自らの目で確かめてみるのはいかがでしょうか。
📊 日本が保有するドル資産・米国債のデータ ソース一覧
以下は、**日本の外貨準備(ドル建て資産)および日本の米国債保有額に関する公式データのソース一覧(URL付き)**です。
※データ更新のタイミングや公表主体により数字は変わることがありますが、信頼性の高い公的・準公的統計・報告です。
| 項目 | 数値の出典・説明 | ソース |
|---|---|---|
| 日本の外貨準備総額(ドル建て)(例:$1,369,775百万ドル) | 日本財務省「対外準備資産(Official Reserve Assets)」の統計。外貨準備全体のドル建て総額。 | 🔗 https://www.mof.go.jp/english/policy/international_policy/reference/official_reserve_assets/e0712.html (財務省) |
| 外貨準備内のドル建て有価証券(米国債等含む) | 同統計内の「Securities(証券)」項目。外貨準備のうち有価証券(多くが米国債等)として保有される部分。 | 🔗 https://www.mof.go.jp/english/policy/international_policy/reference/official_reserve_assets/e0712.html (財務省) |
| 米国債の外国保有額(日本を含む) | 米国財務省・統計に基づき外国が保有する米国債の国別内訳。日本は外国最大保有国のひとつとして1.06~1.1兆ドル前後で示される。 | 🔗 https://www.congress.gov/crs-product/RS22331 (Congress.gov) |
| 米国債の保有額(別統計例) | 民間統計・報道ベースでの米国債保有額データ。日本の保有が約1.06兆ドル前後と示されている例。 | 🔗 https://www.statista.com/statistics/246420/major-foreign-holders-of-us-treasury-debt/ (Statista) |
| 米国債保有国ランキング(全体) | 世界各国が保有する米国債の比較データ(例えば視覚化された統計)。日本のポジションなどを確認可能。 | 🔗 https://www.visualcapitalist.com/ranked-the-top-20-countries-holding-the-most-u-s-debt/ (ビジュアルキャピタリスト) |
🧾 説明・補足
✔ 外貨準備(日本財務省)
- 日本の外貨準備高は財務省が月次で公表しており、公式統計として最も信用度が高いデータです。
- 「Official Reserve Assets」として
- 外貨預金
- 外貨証券(ほぼ米国債を含む)
- IMFリザーブポジション
- 特別引出権(SDR)
- 金
といった項目がまとめられています。(財務省)
✔ 米国債保有額(米国財務省・関連報告)
- 米国債の国別保有額は、米財務省のTreasury International Capital (TIC) 統計などを基にしたデータが用いられます。
- 定期報告や議会向けリポートでは、日本が外国保有国の中で最大保有額として計上される例が多いです(約1.06〜1.1兆ドル程度)。(Congress.gov)
🔎 参考:外貨準備統計(原データページ)
- 財務省統計トップ:「外貨準備等の状況」というデータ一覧ページ
🔗 https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/reference/official_reserve_assets/index.htm (財務省)
🇯🇵 日本のB/SとP/Lを「資産家の家庭」で読み解く
日本の財政問題を、国家という巨大な迷宮から「一軒の資産家の家庭」へとスケールダウンして考えてみましょう。
ここには、世間一般に流布されている「日本破綻論」の誤解を解く鍵があります。
1. P/L(損益計算書):慢性的な「赤字家計」の正体
まず、単年度の収支であるP/Lを見てみましょう。
日本の一般会計(おこづかい帳)は、長年、入ってくるお金(税収)よりも出るお金(社会保障費や公共事業)が上回る「赤字」状態です。
- 収入(税収): 年に約70兆円。
- 支出(歳出): 年に約110兆円超。
- 不足分: 毎年40兆円規模の「借金(国債)」で補填。
この数字だけを見ると、多くの人は「この家はもうすぐ破産する」と直感します。
しかし、有能な経営者であれば、損益計算書(P/L)だけで判断を下すことはありません。
必ず**貸借対照表(B/S)**を確認するはずです。
2. B/S(貸借対照表):1,000兆円の資産を持つ「富裕層」の顔
日本のB/Sを開くと、意外な事実が浮かび上がります。
日本政府は膨大な借金(負債)を抱える一方で、世界でも類を見ない規模の資産を保有しているのです。
- 負債(借金): 約1,500兆円。
- 資産(貯金箱): 約1,000兆円。
つまり、家計に例えれば「150万円のローンがあるが、手元に100万円の貯金と有価証券がある」状態です。
差し引き50万円の純負債。
これは、世間で騒がれる「1,500万円の借金地獄」というイメージとは、受ける印象が大きく異なるはずです。
3. 特別会計という「開かずの金庫」
ここで重要になるのが、資産の大部分が「特別会計」という特定の目的のために紐付けられた開かずの金庫に眠っているという点です。
- 外為特会: ドル建て資産など、為替安定のための巨額資金。
- 財政投融資: 道路や空港などのインフラ資産。
これらは「即座に生活費(一般会計)に回せない」仕組みになっています。
資産家が「立派な邸宅と株券は持っているが、明日の食費(キャッシュ)が足りない」と嘆いているような、ストックの潤沢さとフローの枯渇という歪な構造がここにあります。
4. なぜ「B/S視点」が無視されるのか
政治やメディアがB/Sを語りたがらないのには、戦略的な理由があります。
- 増税のロジックが崩れる: 「資産が1,000兆円ある」と認めれば、「まずその資産を整理(売却・活用)すべきだ」という正論を抑え込めなくなります。
- 危機感の醸成: P/Lの赤字を強調する方が、国民に増税を呑ませるための「痛み」を共有させやすい。
しかし、真に議論すべきは「増税か否か」という二元論ではありません。
**「死蔵されている資産をいかに流動化させ、パフォーマンスを最大化するか」**という、国家のアセットマネジメント能力の問題なのです。
結論:知的エグゼクティブに求められる「財政の審美眼」
「日本は借金まみれで明日にも潰れる」という言説も、「資産があるから無限に借りられる」という極論も、どちらも本質を射抜いてはいません。
真実とは常に、冷徹な数字の間に潜んでいます。
日本という国家のポテンシャルを信じるならば、私たちは「今年いくら足りないか」という目先のキャッシュフローだけでなく、
**「保有する膨大な資産をどう未来への投資に転換するか」**というB/Sの最適化にこそ、声を上げるべきなのです。
富を維持し、次世代に継承する。そのための「自己管理」は、個人も国家も同じ原理原則に基づいています。
外為特会(外国為替資金特別会計)の含み益は、まさに日本という国家が抱える「最大級の埋蔵金」であり、同時に政治的・経済的な「聖域」でもあります。
エグゼクティブとして押さえておくべき、その還流のメカニズムと、なぜそれが自由に使えないのかという戦略的ジレンマを解き明かします。
1. 含み益の源泉:ドル買い介入の「果実」
外為特会には、日本政府が過去の為替介入(ドル買い・円売り)で積み上げた膨大な外貨資産が眠っています。
現在の円安局面において、その資産価値は円建てで膨れ上がり、数兆円規模の「含み益」が生じています。
この利益は、大きく分けて2つの形態で存在します。
- 為替差益: ドルを購入した時よりも円安になったことで生じる「評価益」。
- 利子収入: 保有している米国債などから生じる「運用益」。
2. 利益はどこへ消えるのか?「一般会計」への還流スキーム
外為特会で発生した利益のすべてが、私たちの生活(一般会計)に回るわけではありません。そこには厳格な優先順位が存在します。
- 積立金としての留保: まず、将来の為替変動リスク(円高に振れた際の損失)に備えるため、利益の一定割合を特会内部に積み立てます。
- 一般会計への「繰り入れ」: 剰余金(利益から積立金を差し引いたもの)の一部が、ようやく国の予算(一般会計)に計上されます。これが事実上の「防衛費」や「経済対策」の財源として活用されるのです。
直近では、防衛費増額の財源として、この外為特会からの「繰り入れ」が重要な役割を果たしていることは、ニュースの裏側に潜むロジックとして知っておくべき点です。
3. なぜ「全額」を使えないのか:戦略的ジレンマ
「含み益が数10兆円あるなら、消費税を減税できるはずだ」という議論が常に起こりますが、これには財務当局が抱える3つの制約があります。
- 通貨の信用担保:
為替介入の原資は「政府短期証券」という借金です。
含み益をすべて吐き出してしまうと、円高局面で逆ザヤが発生した際、国の信用問題に発展しかねません。 - マーケットへの影響:
米国債を大量に売却して現金化しようとすれば、米国の金利急騰を招き、国際的な経済摩擦を引き起こすリスクがあります。 - 「含み益」の不確実性:
為替は生き物です。
今日の利益が明日には消失する可能性があるため、恒久的な財源(減税の穴埋めなど)には使いにくいという性質があります。
4. エグゼクティブの視点:資産の「死蔵」か「投資」か
この外為特会の扱いは、企業経営における「内部留保」の議論に似ています。
「万が一」に備えて現金を積み上げておく(死蔵する)のか、それともリスクを取って成長分野へ投資する(流動化する)のか。
現在の日本政府は、この巨大な資産を**「防衛」という名のコスト支払いに充て始めていますが、これを「次世代の産業育成」という投資**に回すべきだという知的な提言も、経営者層からは根強く上がっています。
結論:含み益は「国家のバッファ」である
外為特会の含み益は、日本が国際社会で戦うための「防衛資金」であり、同時に政治的な「調整弁」として機能しています。
この資産を「ただの余剰金」と見るか、それとも「日本のプレゼンスを維持するための戦略資産」と見るか。B/Sを俯瞰する審美眼を持つ者にとって、外為特会の動向は、日本政府が描く未来の優先順位を映し出す鏡と言えるでしょう。
🇯🇵 日本のBSとPLを「おこづかい+貯金箱」で説明する
登場人物
日本くん(中学生)
① PL(損益計算書)=「毎月のおこづかい帳」
まずPLから。
日本くんの1か月のおこづかい帳(PL)
| 入ってくるお金 | 金額 |
|---|---|
| 毎月のおこづかい | 10,000円 |
| お手伝いでもらうお金 | 5,000円 |
| ポイ活 | 500円 |
| 合計 | 15,500円 |
| 使うお金 | 金額 |
|---|---|
| 学校関連(部活費など) | 6,000円 |
| ゲーム代 | 3,000円 |
| 友だちとの遊び | 4,000円 |
| 合計 | 13,000円 |
👉
「今月は 2,500円残ったね」
これが PL。
その月・またはその年だけの話。
②BS(貸借対照表)=「家にある全部の財産リスト」
次はBS。
日本くんの持ちものリスト(BS)
資産(持っているもの)
- 貯金箱:50,000円
- ゲーム機:30,000円
- 図書カード:10,000円
👉 合計:90,000円
負債(借りているもの)
- 親からの立替え:120,000円
純資産
- 90,000円 − 120,000円 = ▲30,000円
👉
「日本くん、トータルでは借金の方が多い」
「全部まとめると、まだ借りている方が多い」
③ 日本政府に置き換えると
日本政府のPL
- 毎年の税金・保険料 = おこづかい
- 年金・医療・公共サービス = 毎月の出費
👉
「今年は足りないから借金(国債)した」
日本政府のBS
- 外貨準備・株・貸付金 = 貯金箱・持ちもの
- 国債・借入金 = 親への借金
👉
「家にはすごい財産があるけど、借金もめちゃ多い」
④ ここが一番の勘違いポイント
❌ よくある誤解
「将来もらえるおこづかい(税収)があるから安心」
⭕ 正しい考え
- 将来のおこづかいは
👉 まだもらっていないから資産じゃない - BSに書けるのは
👉 今すでに持っているものだけ
⑤ なぜ大人(政府)はPLの話しかしないのか
理由はシンプル。
- おこづかい帳(PL)だけ見せると
👉 「足りない!節約しなきゃ!」 - 財産リスト(BS)も見せると
👉 「え?売れるものあるじゃん?」
👉 だからBSはあまり説明されない
**日本政府のPL(損益計算書)を「概念整理版・一覧表」**でまとめます。
※一般会計ベース+直感的理解優先(財務省資料の構造に準拠)。
🇯🇵 日本政府の損益計算書(PL・概念整理版)
【収益(歳入)の部】
| 区分 | 金額(年額・概算) | 補足 |
|---|---|---|
| 所得税 | 約20兆円 | 個人の所得に課税 |
| 法人税 | 約15兆円 | 企業利益に課税 |
| 消費税 | 約23兆円 | 国税分のみ(地方分除く) |
| その他税収 (酒税・たばこ税など) | 約10兆円 | 間接税・目的税 |
| 社会保険料収入 | 約75兆円 | 年金・医療・介護 |
| 資産運用収益・配当金 | 約6兆円 | 財投・政府出資先 |
| その他収入 | 約5兆円 | 手数料・雑収入 |
| 収益合計 | 約154兆円 |
【費用(歳出)の部】
| 区分 | 金額(年額・概算) | 補足 |
|---|---|---|
| 社会保障関係費 | 約38兆円 | 年金・医療・介護 |
| 地方交付税交付金 | 約16兆円 | 地方自治体向け |
| 公共事業費 | 約7兆円 | インフラ |
| 防衛費 | 約8兆円 | 年々増加傾向 |
| 教育・科学技術 | 約6兆円 | 文教・研究 |
| 国債費(利払い+償還) | 約26兆円 | 元利払い |
| その他支出 | 約15兆円 | 外交・官庁運営等 |
| 費用合計 | 約116兆円 |
【当期損益】
| 区分 | 金額 |
|---|---|
| 収益合計 | 約154兆円 |
| 費用合計 | 約116兆円 |
| 当期収支(名目) | +約38兆円 |
※ここから
- 国債発行・償還
- 特別会計の繰入・繰戻
を調整すると、実質的には赤字構造になります。
📌 超重要な補足(ここを誤解すると地獄)
① なぜ「黒字っぽく」見えるのか
- 社会保険料は巨大な収益として入る
- しかし将来給付(年金・医療)がB/Sに載らない
👉 将来債務がPLに反映されない
② 国債はPLではこう扱われる
| 項目 | PL上 |
|---|---|
| 国債発行 | 収益ではない |
| 国債償還 | 費用 |
| 利払い | 費用 |
👉 借金を収入と見なさない
👉 返済は費用として効く
③ ここが「減税=財源論」になる理由
- 減税 → 収益(税収)が即減る
- 資産売却 → PLに出にくい/政治コスト大
👉 PLしか見ないと、減税は即「悪」
一言でまとめると
日本財政は「PLでは慢性的に苦しいが、B/Sは巨大」
しかも将来債務はB/Sにほぼ出てこない
⑥ 超重要な一言まとめ(中学生向け)
PL=今日のお金の流れ
BS=家の体力
日本は「今日のお金が足りない」と言っているけど、
家の中を見たら、かなり大きな家に住んでいる
⑦ さらに一歩進んだ理解(おまけ)
もし日本くんが
- 毎月ちゃんと暮らせて
- 借金は円で
- 返す相手も家族
なら…
👉 「明日いきなり破産」はしない
①「じゃあ何が本当に危ないの?」
結論(中学生向け)
お金がなくなることより、
働く人が少なくなることの方が危ない。
家庭の例えで説明する
家族の設定
- お父さん・お母さん:働いている
- 子ども:2人
- おじいちゃん・おばあちゃん:年金生活
今はなんとかなっている理由
- 働く人がたくさんいる
- 税金・保険料を払う人が多い
👉 家計は回る
本当にヤバい未来
- 子どもが減る
- 働く人が減る
- おじいちゃん・おばあちゃんは増える
👉
おこづかいをくれる人(働く大人)が減って、
もらう人(年金もらう人)だけが増える
少子化対策で何兆円使っても、少子化は止まらないどころか悪化しています。。
日本で起きていること(超要約)
| 昔 | 今〜これから |
|---|---|
| 子どもが多い | 子どもが少ない |
| 働く人が多い | 働く人が減る |
| 高齢者が少ない | 高齢者が多い |
👉 お金の問題じゃなくて「人数の問題」
だから結論
国はつぶれないが、
一人ひとりが重くなる
②「なぜ社会保険料が一番つらいの?」
結論(中学生向け)
取られているのに、
取られている感じがしにくいから。
例え:給食費と謎の引き落とし
税金(消費税)
- コンビニで買うたびに見える
- 「高いな」と気づける
社会保険料
- 給料から勝手に引かれている
- 明細を見ないと気づかない
👉 痛みを感じにくい
さらにキツい理由
① 逃げられない
- 税金 → 買わなければ払わない場合もある
- 社会保険料 → 働いた瞬間、強制
② 率が高い
- 所得税:段階的
- 消費税:10%
- 社会保険料:
👉 給料の約30%(会社負担込み)
※自分で稼いだ感覚だとめちゃ重い
③ 将来もらえるか不安
- 今払っている人
→ 自分が年を取った時にもらえるか不安
👉
「払うのに、信じられない」
さらに年金は投資に運用されていて、利益も出ているが大きく赤字を出すこともある。
しかも、投資先が怪しい外国企業が多かったりする。。
家庭の例で言うと
毎月おこづかいから
「将来のため」と言われて
何も説明されずに3割取られる
しかも
「将来ちゃんと返すかは約束できない」
…そりゃキツい。
③ 2つを合わせると見える本当の問題
| 問題 | 正体 |
|---|---|
| 財政が危ない | ❌ お金の量 |
| 本当に危ない | ⭕ 人口構造 |
| つらい原因 | ⭕ 社会保険料の重さ |
最後に一言(中学生向け)
日本は「お金がない国」じゃない
「働く人に頼りすぎている国」
選挙に行きましょう。

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